ハヤカワ文庫<br> タイムスケープ〈上〉

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ハヤカワ文庫
タイムスケープ〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 338p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784150107734
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

1998年、世界は破滅に向かって突き進んでいた。慢性的な異常気象、食糧難、エネルギー危機…。北アフリカでは旱魃で住民がつぎつぎに餓死していく。そして南アメリカ沖で発生した赤潮は、地球的規模での大災厄の前ぶれだった。だが、すべては1960年代以降に使われはじめた農薬などの化学物質による環境汚染が原因なのだ。過去を変えぬかぎり、世界は救われない。―そこでケンブリッジの物理学者ジョン・レンフリューは、光よりも速い粒子タキオンを使って過去へ通信を送ろうと考えたが!タイム・パラドックスに挑む科学者を鮮やかに描く、ネビュラ賞受賞の傑作ハードSF。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スターライト

5
ディッシュがその評論集『SFの気恥ずかしさ』で称賛していたイギリスのSF作家ベンフォードのネビュラ賞受賞作。環境悪化を打開しようとタキオンによる過去への通信を試みる物理学者レンフリューのパートと、その通信を偶然雑音として捉えたラホイヤ校の助教授ゴードンのパートが交互に、かつスリリングに語られる。通信の実現に懐疑的な人物と雑音を何らかのメッセージととらえるゴードンに対しても否定的な人物がおり、技術だけでなく環境的にも困難を抱える二人の間の時間の壁を超えることができるのか。2023/04/07

sibafu

1
1980年頃に書かれたタイムトラベルもののSF小説。現在から過去へメッセージを送るというモチーフは『シュタインズゲート』を思い出す。『シュタゲ』に比べればひどく地味で時間超越のための謎解きをくだくだとやっている本作だけど、その謎解き的な部分は面白い。ただ日常的部分がけっこう退屈。しかし、本格派のタイムトラベルものだと思うので読み始めてみてよかった。書かれた1980年頃から見た未来の1998年と過去である1962、63年を行き来しつつ物語は進む。ぼくから見た現在は2013年なのでややこしい。下巻も楽しみ。2013/04/30

サスケ

0
昔読んだ本

orange21

0
六十年代と九十年代の描写を行き来する。出版年にとっては過去と未来の話である。本作中ではタキオンが発見されており、過去への通信を試みる九十年代の人々、それを受信してしまう六十年代の科学者。つまり紙面上では両方共現在であり、未来の描写によって過去が変わる可能性がある(話としてそうなるかはわからない)。この構造を採用したのであればメタフィクションに行く可能性も高い。後半がそれにしても久々の普通のハードSFである。スイスイ読めて気楽だな。2016/09/28

東森久利斗

0
文明が発達、技術が進歩、新しい発見があろうとも、人間自身の本質だけは変わらない。いつの世も研究者は、いろいろと大変なんだなあとシミジミ。SFというより、昭和の匂いに満ちた人生劇場として読めば、テンション下がらず完走できるかも。2016/05/20

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