内容説明
老竪琴師ペティロンの死は、少女メノリにとって大きな痛手だった。竪琴や歌を手ほどきしてくれ、いつもやさしかったペティロン。城砦ノ太守でもある厳格な父親ヤナスと、口うるさい母親マビに囲まれた、退屈な半円海ノ城砦の生活のなかで、かれだけが唯一の心の慰めだったのに。ペティロンの葬送の儀式で、メノリは心をこめて弔い歌を歌った。かれの死が自分の身にどのような運命をもたらすことになるか、なにもわからないままに…竜と竜騎士族が人びとを糸胞より守る惑星パーンを舞台に、音楽の才能あふれる一人の少女の成長を情感豊かに描きあげる、傑作シリーズ第4弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
七色一味
7
久々の再読になります。パーンの竜騎士シリーズは、現在14冊が邦訳されていますが、ウチにあるのは本編3冊と《竪琴師ノ工舎》三部作の3冊、外伝3冊。本編3冊の重厚な世界観に比べ、《竪琴師ノ工舎》三部作はより市井に近い視線、それも2冊は竪琴師への道を閉ざされた少女メノリの視線を通して、《赤ノ星》が巡る惑星パーンが語られていきます。基本ジュブナイルなので、1冊目と2冊目はメノリの成長を、3冊目はそれまでは脇を固めていたピイマアの声変わりから、物語は始まります。個人的には本編よりもコッチの方が好きですね。2011/09/16
konkon
5
《竪琴師ノ工舎》三部作の1作目、白い竜で活躍したメノリの話。楽しめた。2014/12/21
しまっち。
4
才能と情熱を持ちながらも、女だから竪琴師にはなれぬと太守である父と母から音楽を取り上げられたメノリが、竪琴師ノ長ロビントンにその才能を見いだされ受け入れられるまでの、王道の物語。手に怪我をしたり、火蜥蜴と感合したり、いろんな事が起こるけど、がんばれメノリ!と一気に読める。でもやっぱり「白い竜」の前に読んでおかないといけなかったな~。ただ気が強いだけに感じてたメノリの過去と、前3作の裏側を知ってこそもっと楽しめたのに~。でもこちらは読みやすいから、とにかくこの〈竪琴師ノ工舎〉3部作読んでからまた楽しもう。2013/12/29
KazumiN
1
サバイバルの場面が秀逸。力強くて勇気をもらえる内容です。
ぷにょんぺん・主砲
1
初めて読んだ”パーンの竜騎士”シリーズ。この本でアン・マキャフリィにハマるきっかけになった。