感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hit4papa
37
異星人に駆逐され拡散した人類は、へびつかい座から送られてくる謎のメッセージの恩恵を受け独自の文明を築いている、というヴァーリィの未来史<<八世界>>です。本作品は死刑囚の脱走行がストーリーの中心ですが、クローン技術が発達した未来世界では、死とは遺伝子が全て抹消されることと定義されています。死生観が変った未来においては、一個の肉体の死に意味はありません。生と性への執着が失われた世界の薄気味悪さが上手く描かれています。人の生とは本来何であるかという問いかけなのでしょうね。それにしても、何故今、ヴァーリイ?2016/12/22
ノベツ
16
八世界シリーズの長編。時系列的にも短編の続き。 集大成の長編だけあり、短編で語られなかったインベーダーが登場するし、ホットラインの正体も判明するだけでも最高なのだが、短編以上にアイデアに溢れ、ストーリー自体も目まぐるしく、読者をガンガン揺さぶってくれるので、心底楽しい。 長文感想⬇https://note.com/nobetsu/n/n8fbc420752b22020/08/25
月世界旅行したい
16
ひさびさに読んだ。脱力的。2016/06/26
Tadashi_N
12
クローニングと性転換が日常になった近未来2014/10/12
嫁宮 悠
11
謎の生命体によって故郷を追われ、地球外の八つの居住領域に住まざるをえなくなった人類の存亡を描く。〈八世界〉シリーズの長篇。クローン技術と記憶の保存技術を悪用して、地球奪還を計画する権力者と、自由を求めるクローンたちの全力の化かし合いが主題。本作の一つ一つのアイデアは過去のSFを踏襲したものではあるが、それらを組み上げ、一つの堅牢な、SF的魅力に溢れた世界を生み出すことに成功している。特筆すべきは権力者の手先として登場する亜人・ヴァッファ。その人間らしさと人間らしくなさが同居した感じが、妙に印象に残る。2019/05/09