ハヤカワ文庫<br> スターシップと俳句

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ハヤカワ文庫
スターシップと俳句

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  • サイズ 文庫判/ページ数 326p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150105808
  • NDC分類 933

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

sin

80
人類の中の異種を表現する為か、葉隠に現された武士と云う特殊な階級の恥の死生観を下敷きにした微妙な感性を宿した日本人が描かれているが、不思議と米国人が描くアニメかぶれの登場人物よりはしっくりくるし、描かれたイメージを美しいと感じることができる。しかし、ここには全体主義を地でいく日本人の過去に対する痛烈な皮肉が描かれていることを忘れてはならないだろう。そして、死を美化することは、命に対する責任放棄でしかないと云うことも…2017/11/07

三柴ゆよし

22
日本人は鯨の末裔だった?! 衝撃的な真実がもたらされ、富士急ばりのエンタテイメント自決を遂げていく日本人たち!! 父祖殺しという究極の恥に呑まれた日本は、遂に滅亡してしまうのだろうか!? 黒いサムライ集団を操り、自殺テーマパーク「死国」を総べる、終末大臣タカハシの思惑とは一体?! 風雲急を告ぐ物語も佳境に至り、ひとりの男が詠む俳句。「赤トンボ 羽をとったら! ……トウガラシ」。それに対するあの巨匠の添削ががこれ。「トウガラシ 羽をつけたら! ……赤トンボ」。スチャリトクル先生、私もうなにも言えません!!!2013/03/30

すけきよ

19
「赤トンボ 羽をとったら! ……トウガラシ」文明崩壊&ファーストコンタクトもの、とサブジャンルとしては真っ当なものなんだけど、初めて読んだSFがこれだったら、人生変わってたかもwクジラ、ハラキリ(自決)、と極めて戯画化されたジャパン像がこれでもかと展開されるんだけど、その本質は生命賛歌。死に覆われた世界で、主人公たちが目指すスターシップはそれとは逆ベクトルに向かうもの。また、この作品における俳句は、生命や静かさを表すもの。だから、終盤で出てくる「赤トンボ~」の俳句(?)は芭蕉先生にこっぴどく批判される。2014/04/08

Porco

14
 千年期大戦後、滅びゆく世界の中で辛うじて機能している日本政府は、国民を「名誉ある」自殺に追い込んでいる。という世界を舞台にした話で、日本人としては興味を惹かれざるを得ない。作者はバンコク生まれのタイ人だけれども、幼少期に世界中を転々として第一言語は英語で(本書も英語で書かれたらしい)、東京にも滞在した経験がある人。30年以上前に書かれた小説ですが、面白かったです。2015/11/11

zumi

9
実に面白かった。クジラとのファースト・コンタクトが2022年に成功......割ともうすぐですね。しかし、これ日本はどーなっているのか。いきなり金閣寺がゴールデン・パゴダとして出てくると思ったら、その感じで描かれる「日本的なもの」がやはり未来ということで、微妙な違和感を与えてくる。絶版はあまりにもったいない。これから二周目に入る。2014/04/11

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