ハヤカワ文庫<br> 法王計画

ハヤカワ文庫
法王計画

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  • サイズ 文庫判/ページ数 531p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150105761
  • NDC分類 933

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ワッピー

26
惑星ガットショットの政争に巻き込まれた医師テニスンが脱出のために密航した宇宙船はエンド・オブ・ナッシングという惑星へ降り立った。そこにはヴァティカンという植民地があり、ロボットの修道士たちが何世紀にもわたるあらゆる情報を集約して全知全能の法王を創造する秘密計画が進行していた。それに携わる幻視者が天国を発見したと報告したとき、ヴァティカン内部のいびつさが露呈しはじめた…1980年代に想像されたAIのイメージはかなり人間的。「主」との邂逅と天国との接触後、再び和合に向かうラストはシマックならではの優しさです。2020/09/16

aki

1
プラトン以来の伝統を継ぐ対話小説。大半が人間と人間、人間とロボット、ロボットとロボット、人間と「塵人」、人間と「何かわからないもの」などの間でかわされる対話で構成されている。コンピュータで法王をつくるというストーリーゆえ、『ターミネーター』の世界支配コンピュータを連想するが、いたって普通で、むしろ謙虚でさえある。人間と、まったく異質な存在は登場しないので、そこがもの足りんといえば、もの足りんがシマックなのでね。相変わらずの田園生活の楽しさが、そこここに伺えて、「ああ、シマックだなあ」と満足した。2019/05/22

Yoshiyuki Kobuna

1
1981年のシマック作品。懐かしき良きSFと呼べる、時代的にも最後の作品のいくつかのうちの一つ。読んでいる間も読後も確実にシマックであったし、どこか安心できる心地よさがある。2015/08/11

Empirestar

1
いくつかの物語が並行しつつも、それぞれが面白く読める。さらにはそれらの物語がうまく絡み合い、最後には一つの物語として美しく収束していく。機械生命たちが人間に奉仕しながら、独自の生命体になる流れ(初期の『大宇宙の守護者』を思い出す)を予感させるのは素晴らしい。人間から作られたロボットたちが変容して、独自の知性体として発達し、さまざまな考察を行っていくという可能性を示唆しているあたりがよい。シマックの小説は現在入手が難しいものばかりになってしまったが、この作品は地味な上に分厚いので復刊は難しいのが残念。2009/11/02

0
面白かった。法王計画ってタイトルなのに法王はかなり脇役。脇役にするには魅力的な設定なんだが。哲学的な要素はあんまりなくて、楽しむためのSF小説。2023/09/01

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