感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
oser(読書家ではありませんドクシャーです)
41
皆様…さようなら。 時間逆行、エントロピー増大、神学性と 超ディック (大作ではないけど…良作) 設定上に多少の無理があったり、所々ストーリーテリングが雑に感じる部分があるが、それでもプロットや展開は引き込まれるものが(らしさがコレでもかと詰め込まれており、まさにディックのSFといった感触。ファンのワイ歓喜。) …神学というマテリアル、エントロピーというアクセントが複雑に絡まり合い、終盤は一気に宗教色が強く、理解しきれない部分がちらほら …時間逆行をタバコの吸殻に火をつける行為で表現するディックは流石!2023/05/18
GaGa
37
久しぶりに再読。この作品は何度も読み返しているが、破綻度合いがもの凄く、著しく整合性に欠けるのにそれなりに面白いと言う、複雑な作品である。そのためディックをまだ読んだことがないので読みたいと言う人には絶対おすすめしない(笑)ひょっとしたらもの凄い馬鹿な話を書こうとしたのに、いつしかいつもの路線に入ってしまい、なんだかわからないものになった、というのが真相かも。2012/11/23
kokada_jnet
32
たまたま、睡眠周期を乱している時期に読む。きがついたら、一睡もできずに、朝の7時半。仕事を休んで睡眠とったが、起床した時、自分がどの時時系列にいるのか、わからず混乱した。2016/09/22
新地学@児童書病発動中
24
フィリップ・K・ディックの1967年の作品。時間が逆行する世界というアイディアは面白いが、プロットの冴えがいまひとつなくて、物語としてはやや面白くなかった。それでもよみがえった死者が土の中で感じる恐怖とか、本を消去してしまうおかしな図書館とか、臆病な主人公の妻の描き方とか、再生した新興宗教の始祖のグロテスクな描写とか印象に残る個所は多い。(続く)2012/06/13
kochi
13
時間の逆転により死者が墓場から蘇り、若返ってやがて子宮に帰ると言う因果律が狂った逆回りの世界で、米国を二分せしめた宗教団体の教祖の復活をめぐる争いに巻き込まれた夫婦の物語。会えばグッドバイ別れる時にはハローと言い、タバコは吸い殻に火がついてだんだんと長くなり新品になって箱に入る。飲食は口から吐くこと(考えたらそうだ!)になっていて、図書館は存在してはならない資料を処分する。しかし、言葉は普通に喋れたりと一貫性がない時間逆転は映画TENETを思い出すが、考え出すとはまり込んで出れそうにないところも似ている。2022/01/26