感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イプシロン
25
学生時代に夢中になって読んだシリーズ。しかし読みかえしてみてその深さに改めて驚愕した。こ、これは仏法の「空」によるものの見かたではないか! と。ここ数年気づいてきたことを確信させてくれるような物語の進み方に、戦慄が走った。片目と片手を失い、<クウィルの手>と<リンの眼>を得たコルムは半人半神になったという設定。それは人間の中に眠っている英知が目覚めたということなのだろう。あいもかわらずまずはじめに主人公を絶望のどん底に陥れる手法はもちろん健在だ。でもその意味がわかるようになったのは最近のことだったりする。2017/05/25
猫柳
3
その土地に住んでいた古い種族が新しい種族から侵攻を受け、主人公以外が全滅したという重いストーリーから始まる。この世界での戦争も言わば生存が脅かされ、生き残るための戦いとしているのは同じ。しかしそこには神々の様々な思惑があり、ファンタジー要素を絡めて壮大な作品になっている。主人公の復讐心と愛が天秤となり葛藤する姿は、一瞬にして全てを失った主人公のことを考えるとそう簡単に復讐心を捨てきれないことも分かる。重厚なファンタジー小説に出会えて嬉しい。続編も読もう。2023/06/24
訪問者
0
1970年代にマイクル・ムアコックが生み出した永遠の戦士たち、エルリック、エレコーゼ、ホークムーンに並ぶもう1人のチャンピオンであるコルム公子の物語。しかし、この時期のムアコックは本当に面白い。2015/08/22
InfiniteLibri
0
ムアコックの永遠の戦士シリーズの1作。RPGにもなっている。ケルト神話にヒントを得た、片目と片手を失った異族の英雄譚。彼らは哀しみと宿命を輩とする。