ハヤカワ文庫<br> 呪われた村

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ハヤカワ文庫
呪われた村

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  • サイズ 文庫判/ページ数 313p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150102869
  • NDC分類 933

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

289
分類するならばSFなのだが、宇宙空間ではなく地球のそれもイギリスの小さな村が物語の舞台。インヴェーダーものということになるだろうか。全体としてもSF的な要素は薄く、むしろ危機に際して村の人々がどのような対応を見せていくのかこそが小説の本領。邦訳題はまるでオカルト小説みたいだが、原題は"The Midwich cuckoos"(ミドウイッチ村のカッコーたち)。原題のメタファーが小説の本質を語っているだろう。総じて緻密に構成されているのだが、結末はあまりにも予想通りであった。最後に真の脅威が欲しかったところ。2017/07/12

遥かなる想い

219
侵略SFの名作らしいが、不気味な物語である。 ある日突然 異民族により、 17歳から 45歳までの女性全員が妊娠する… 女性たちの、村の 戸惑いが 不穏に 読者に伝わり、読み進めていると、正直怖い …村の閉塞感と 静かに進む侵略の恐怖… 最後はあっけない印象だったが、静かな 恐怖が印象的な作品だった。 2017/08/14

NAO

75
9月26日月曜の夜、ロンドンにほど近いミドウィッチ村に未確認飛行物体が着陸したことから始まる、異常事態。二度繰り返される通常の生活に戻ったと見せかけて実はそれはさらなる恐怖への序章でしかなかったという書き方が、なんとも効果的だ。ほとんどの人が親子の愛情は絶対だと思っている中で、こう言った裏切られ方をするのは、正直かなり辛い。最後は、もうそうなるしかないだろうという予想通りの終わり方。インパクトの強い表紙だが、この表紙のせいでかなり損をしているのではないかと思う。2018/09/14

星落秋風五丈原

37
【ガーディアン必読1000冊】原題はThe Midwich Cuckoos=ミッドウィッチは村の名前、カッコーはいわずと知れた鳥の種類。卵を他の鳥の巣に置いて何も知らない母鳥にカッコウを育てさせる托卵を行う。この托卵行為を人間に対して行ったら…という設定が本作。宇宙人ということになっている母体は、作品中には登場しない。エンディングは散々引きのあるSF映画を見てきた者からすればややあっけない。もし今映画化するなら滅びたかに見えて実は一つ生き残っていて…のような『ターミネーター』的展開も受け入れられるのでは。2020/06/18

花乃雪音

20
異星人による地球侵略SF。ただし手段が武器ではなく托卵であることが特色となる。話全般において半歩引いた視点から語られている。そのため異常な一斉妊娠を村人たちがすんなり受け入れたように見えてしまうが、妊娠した女性たちに焦点を当てすぎると話の方向性が宗教や情に寄ってしまうように思える。この視点こそが本作をSFたらしめているのではないだろうか。2022/04/16

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