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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えふのらん
3
ガジェットやストーリーは所謂B級映画、ウェルズに続くヒストリカルなSF小説だけど、芯はきっちりウィンダム。いまやトラファルガー広場は湖に沈みネルソン提督像が水面から顔を覗かせる……とかニューヨークの摩天楼を夜警の松明が照らすといった風景描写がぞわぞわっとさせる。生存者が報道局のビルや別荘に引きこもって事態の終息(収束ではない)を待つのも良い。さすが元祖心地よい終末。ただ、実際は終末の皮を被った侵略SFできちんと人類の反撃がある。その際に「復興」に重点を置いているのも彼らしい。というかトリフィドの主題と同2022/08/22
酔花
3
密かに進行する異星生命体の侵攻の不気味さを星新一の流暢な訳文が引き立る破滅SFの古典的名作。原書の刊行は1953年のことであるが、未だに内容は古びていない。常識の枠外にある可能性を唱えたが故に(主人公からでさえ)嘲笑の的になる学者など、危機に直面しているにも関わらず現実を直視しない愚鈍な政府及び一般人の姿が執拗に描かれている。この手の想像力の欠如が事態を深刻化させることを身体感覚として経験した我々は彼らの姿を笑うことは出来ない。最後まで侵略者が姿を見せぬまま終戦を迎えるという後味の悪さも印象的。2014/04/22
シンドバッド
3
星新一訳に負うところころが、大きい。2013/10/20
がんぞ
1
西部劇のリプレイであるアメリカSFに海洋テーマは少ない。が海軍国イギリスの侵略テーマの古典。外宇宙から大火球が断続的に数百個飛来。陸地を避け、海のうちでも深度4000メートル以上の箇所に落ちた。数年後、航行中の旅客船が急変して沈没という事件が頻発…護衛の戦艦までやられて、“深海原爆実験”とか称して攻撃する。異星の深海生物にとって人類は何だろう。なんと《海の戦車》なる鯨大で人を食う触手もつボールを発射するモンスターを上陸させてくる。ただし航空機からの爆撃で破壊できたが次の反撃は両極の氷を溶解させることだった2015/07/27
ひめやさくら
1
ものすご~~~く久しぶりで再読。古典中の古典SFのひとつですが、現代を舞台にして映画化しても、国際情勢さえ今のものにさえすれば、ほぼこのままで作っても、それほど古さは感じないかも。そういえば、私の人生最初に読んだSF小説は、同じ作家のトリフィドを子供向けにしたものでしたねw機会があれば、そっちも読んでみたいものです。2013/02/27