ハヤカワ文庫<br> 宇宙気流

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ハヤカワ文庫
宇宙気流

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  • サイズ 文庫判/ページ数 340p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150102470
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

103
巨匠アシモフの1952年の作品。特殊な繊維が取れる惑星フロリナが舞台で、この惑星消滅の危機にさまざまな登場人物の思惑が入り乱れる。アシモフの他の作品と同じようにミステリの要素が導入されており、二転三転するプロットに読み手は翻弄される。結末で明かされる真相は意外なのもので、ミステリファンも満足するだろう。アシモフの小説は文学性は薄いが、科学的なバックボーンを背景にした骨太の詩情を感じるところが好きだ。この作品では題名の「宇宙気流」という言葉が物語の重要な要素になって、星へのロマンを掻き立てる。2015/02/11

催涙雨

57
舞台こそ宇宙ではあるのだが、小説的にはかなり類型的な政治・経済イデオロギーを用いてそれを成り立たせている印象が強い。貴族と平民の対立・ディスクリミネーション、平民が生産している繊維をめぐった他国との貿易、そして平民の反逆、記憶喪失、殺人。そんな感じ。神経衝撃針によって白痴化したリックの設定や、彼をめぐるエピソードの全体像は、次々に先が知りたくなるようなミステリ的な色味が強く、まずまず面白いものだと思う。2020/01/14

ミネ吉

15
ファウンデーションシリーズと同じ世界の長編SF。ある空間分析学者による惑星フロリナ消滅の警告を巡り、フロリナを支配する貴族層のサーク人、搾取される原住民のフロリナ人、銀河帝国となる前のトランター人がそれぞれの思いで暗躍する。個人的にはこれまで読んだアシモフの作品の中でも上位にくる面白さだった。サーク人によるフロリナ原住民支配は本当におぞましいが、現実世界でのモデルはいくらでも思いつくし、余暇で本を読めるくらいには恵まれた生活を送る自分の生活も誰かの犠牲によって成り立っていることには自覚的でありたい。2024/02/18

roughfractus02

12
宇宙服繊維を生産する惑星フロリナを独占するサーク貴族の経済圏にトランター帝国が迫る中で、フロリナの消滅を空間分析して何者かの手で記憶を失った地球人が放り込まれる。物語は記憶を失わせた犯人探しを軸にサスペンスタッチで進む。一方、南北戦争前の米国史を戯画化した貴族(黒人)と奴隷(白人)からなる経済圏を帝国が囲み、繊維開発の進展やフロリナ消滅に備えた人々の脱出が始まると経済圏の衰退が加速する。ローマの歴史家を彷彿とさせる作者は、微視・巨視両視点を駆使して戦争と経済と政治の絡み合いの中で帝国化する未来を記述する。2023/07/15

権三郎

1
本棚から発掘。ファウンデーション世界の、帝国が銀河を席巻していた時代の物語。2022/02/15

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