ハヤカワ文庫<br> わが名はコンラッド

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ハヤカワ文庫
わが名はコンラッド

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  • サイズ 文庫判/ページ数 282p
  • 商品コード 9784150101787
  • NDC分類 933

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

催涙雨

64
読み始めはなにかの続編を読んでいるような読みづらさがある種の退屈さに繋がる側面もあるのだが、次第次第に明かされる物語の背景が飲み込めるようになってくるのに比例してそういった不安要素は影を潜めていく。これはハードボイルド風の簡潔な文体で書かれる作品にたびたび見られる現象なのだが、物事をほとんど説明的に書かないことに起因する。核戦争の突然変異で神話や伝承の生き物が闊歩する地球を他の惑星の知的生命体に管理させないようにしたり化物と戦ったりする作品。お仕着せの幸福について何を思うかを問うてる部分もあるのだろう。2020/02/02

サイバーパンツ

19
主人公は不死を憂うどころかむしろ謳歌してるし、他キャラもみんな曲者ぞろいで楽しそうだし、アクションシーンも満載だしで、荒廃した世界に反してノリが明るい。それなのに、淡々としてすっきりとした文章のせいで、全体に「静」が漂う。だからか、あまりストーリーに起伏が感じられず、盛り上がらなくて退屈にすら感じるんだけど、その分、雰囲気はかなり良いものになっている。ストーリーはあんまりだが、雰囲気小説としてはおすすめできる一冊。2016/05/18

スターライト

15
三日戦争と呼ばれる核戦争後の世界。地球美術遺蹟史料保存局長コンラッド・ノミコスは、やってきたベガ人ミシュチゴの真の目的は本の執筆ではなく、地球買収ではないかと懸念。それを阻止すべく帰還推進党ラドポールは彼の暗殺を謀ろうとするが…。ギリシア神話の影響濃い本書で、ヒューゴー賞を(ハーバートの『デューン砂の惑星』とともに)獲得したゼラズニイの処女長篇。短い文章が多用された簡潔な文体で作品の緊張感を高め、迫真の出来。異様な生態系の描写も読みどころの一つ。鮮やかな巻き切れは感動的で、受賞も納得の傑作。2018/05/13

ニミッツクラス

10
82年の360円の8刷(初版75年)。282頁で当時では妥当な値段(サンリオが高い)。角田氏のカバーの球体が2年後のシマックの「中継ステーション(旧版)」にも描かれている。コンラッドと言えばエイヴァリー(=クーパー)の「コンラッド消耗部隊」を想起するが、どちらも原題にはコンラッドが入ってない。本書は「地獄のハイウェイ」と似て非なるゼラズニイの作品で、地球の滅亡を念頭に据えた宇宙難民叙事の一部を活写する舞台設定。地球の後見人的ベガ人と地球を案内する遺跡局の主人公コンラッド。ベガ人の真意は奈辺に。★★★★☆☆2018/01/27

いおむ

9
既読済みです!2019/03/08

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