感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
85
1973年に出版された当時に読んで深井国さんの表紙の絵と挿絵、内容にひかれて3冊を読んだのですが、その後4冊目が訳されていたとは知りませんでした。ということで3回目の読書になりました。いま再読してみるとSFというよりも別世界のファンタジー的な要素に満ち溢れています。最近の本に比べて字が細かく読みとおすのに苦労しました。2022/10/10
鐵太郎
7
「さあ、これでわかったろう」キカハがいった。「この世界は梨型じゃない。惑星のスケールをもったバビロンの塔なんだ。下から上へと順々に直系の小さくなった円柱が、いくつも積み重なっていると思えばいい。・・・」 質量は、重力は、安定性は... 現在の地球上の物理学は、ものの見事に無視されます。舞台だけで言うのなら、これに匹敵する舞台背景は、「リバーワールド」ぐらいしか思いつけません。2006/12/29
KAZOO
7
このSFは最初に出たときに今までにはない世界の物語であると感じました。美女は出てくるしむかしの冒険小説の観点も取り入れたり、あるいは世界が仏教世界のような感じも持って新鮮さを持って読んでみたものです。今読みなおし始めてみると結構甘いところもあるのですが、また引き込まれてしまいました。2013/09/19
記憶喪失した男
5
階層宇宙シリーズの第一巻である。物語は単調だが、なんとこの物語は、一人のヒトが宇宙を丸ごと一個創造し、支配しているのである。さすが、ファーマー。SFをやるなら、ここまでぶっ飛んでやってくれなければならない。そんなありそうでない珍しいアイデアの作品がこれである。もう少し、物語としての面白さをもっていれば、きわめて高い評価を与えたであろうが、残念なことに、驚くべき要素は宇宙をヒトが創造し支配していることだけである。
平田凡斎
4
本作はSFだが雰囲気はナルニア国物語のような異世界冒険ものに近い。SF要素は世界観を理屈で説明する骨組みとして使われている印象。魔法の代わりに科学が使われるファンタジー。ストーリー自体は攫われた相棒とヒロインを助けに行くというシンプルなも悪の支配者の手から助け出しに行くというシンプルなもの。しかし主人公のウルフとトリックスターのキカハ以下個性溢れるキャラクターたちとの掛け合いと舞台となる階層宇宙のスケールのでっかさを楽しめるので退屈はしない。良作。2013/11/22