感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tom
25
37年前の出版。古い翻訳と古い印刷。小さくてかすれた文字は見づらい。読むことに慣れるまでずいぶん時間がかかる。3分の2を過ぎたあたりからようやく面白くなり、しみじみとした気分で読了。ポールは、フレーメンを率いて宇宙の覇者になった。殺した人間は数十億人、滅亡した星は累々。対抗勢力はポールと係累を殺すための陰謀を練る。ポールは最後には勝つのだけど、勝利に疑問も。そして視力と予知能力を失い、死ぬために?砂漠に向かう。デューンの物語は、宗教と政治の関係を書くファンタジーだったのだ。次巻に進む。2022/12/07
姉勤
20
映画「DUNE」の続編(現在公開中のものはPart1なので直後には続かない)メランジというドラッグにより 通天眼と心理操作を得た主人公ポールは宇宙皇帝の座の禅譲を強要し、その地位に立って12年。帝位ありながら 辺境の星、砂の惑星デューンに居続ける。 メインは既得権の奪還を目論む旧勢力との暗闘劇。はっきり言って冗長。劇中の語彙は前シリーズを参照のため一見さんには ハードルが高いし、本巻を独立して楽しめるかは微妙。主題たる誰が救世主かは、続編で示されるのだろうか。2021/12/09
鐵太郎
14
終わってみれば爽快な復讐譚となった「砂の惑星」のあとに出てきたのは、自分の運命をさまざまな予知能力で把握し、知りつくして、その上で悲劇に至るその道を雄々しく歩んだ一人の男の物語。そして彼を取り巻く三人の強い女性たち。「かれは道を横にふみ出すだけでよかったのよ! 宇宙の残りがかれのうしろで粉砕されてしまうことになったとしても、それがなんなの?」 ──そうか、そういう物語だったんだ、これは。翻訳の訳語に不満はあるけど、たしかに名作、名訳の評価は揺るがない、かな。2017/10/22
速水こもみち
7
未来についての苦悩、そこからの解放。でいいのだろうか? 難しい本でした。2015/11/04
スターライト
7
帝国の実権をポウルに握られた旧勢力(ベネ・ゲセリット、協会、ベネ・トライラックス)は、再び権力の座につこうとポウルの失脚を謀る。ポウルは予知能力の陰りに不安を覚え、陰謀の存在を知りながら、彼らの計画にはまっていくが…。甦ったダンカンにばかり注目していたが、旧勢力の罠は二重三重に用意され、ポウルを悲劇的な結末へと導いていく。なぜ彼はこれほどまでに、予知通りに進むことにこだわったのか。生れた双子と、砂漠へと還ったポウルはどうなるのか。第三部も、あまり間をおかずに読みたい。2011/11/14