Hayakawa pocket mystery books
男の争い

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  • サイズ 新書判/ページ数 203p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784150017453
  • NDC分類 953
  • Cコード C0297

内容説明

強盗の罪で服役したトニーは、五年の刑を終え、病を得てパリの街へ舞い戻った。旧友のジョーとともに計画していた大規模な宝石店強盗のためだ。思わしくない体調をごまかしつつ、深夜の店に押し入ったトニーたちは、首尾よく二億五千万フランもの宝石を手にした。だが、ふとしたことから彼らの犯行だと嗅ぎつけた凶悪なギャングのソラ三兄弟が、猟犬のように獲物の横取りを狙う。凄惨な拷問、容赦ない暴行、襲撃、そして反撃―争奪戦が最高潮に達したとき、ついに敵は卑劣な手を!巨匠ジュールズ・ダッシン監督が映画化した名品、ついに登場。

著者等紹介

ブルトン,オーギュスト・ル[ブルトン,オーギュストル][Breton,Auguste le]
1913年フランスのブルターニュ生まれ。孤児院で育ち、のちに暗黒街で暮らす。1953年に『男の争い』でデビューし、その後も暗黒街を舞台にした作品を発表。映画化作品も多数ある。1999年没

野口雄司[ノグチユウジ]
1956年大阪大学文学部仏文科卒。フランス文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネコベス

25
五年間の服役を終えてパリに戻って来たトニーは友人ジョーと共に宝石店を襲う計画を練る。結核を病み血を吐きながらトニーと仲間達は首尾良く宝石店の金庫破りに成功し、二億五千万フラン相当の宝石を盗み出す。しかし、凶悪なアラブ系ギャングのソラ三兄弟が宝石強盗の犯人をトニー達だと見抜き、付け狙う。映画化もされている悪漢同士の生死を賭けた宝石争奪戦を描いたノワール。終始殺伐とした雰囲気が立ち込め凄惨で生々しい暴力描写が現代の小説と比べても際立っている。2019/01/13

TK

4
徹頭徹尾、“血”である。作中の言葉を借りれば、あらゆるページから『血が飛び散って』いる。それが全くドラマティックでないのは、暗黒街に生きた作者の血ゆえか。暴力の血を継ぐであろうトニオの行く末も血塗れであろうことは想像に難くない。2013/10/03

7kichi

3
再読2010/01/18

hikarunoir

3
「セッション(Whiplash)」という映画があり、主人公のジャズドラマーの卵は、自身の父とたまに会う際、ミッドナイトシネマで上映されている本作の映画化を見に行く。以降監督は、重ねる作品の折々に血と暴力を巧妙にまぶし、このデビュー作以降もこうなる(こうしたい)ダブルミーニングでこの描写を込めたと思われる。鋭角的な暴力描写と死の突き放し具合。50年代の小説とは思えん。2009/10/03

ハンギ

2
フランス50年代の犯罪小説。アメリカからの影響があるらしいがかなり血なまぐさい。アメリカの犯罪小説はこれほどではないと思う。ほぼ同じ年代の「紳士同盟」「危険がいっぱい」を読んだが、前二者の小説は軽いウイットが感じられ、人が死ぬということに罪悪感を感じさせるが、この小説では簡単に人が死ぬ。舞台はパリ。戦争を挟んで様変わりした街はコルシカ人に代わりアラブ系の人間が幅を利かせていた。そんな中、地元出身の3人のギャングが宝石店強盗をするがそれを嗅ぎつけたアラブ系と抗争し、銃撃戦が始まる。描写はリアルだと感じた。2014/01/17

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