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内容説明
内側から錠がかかった密室状態の書斎で、ミステリ作家が煮えたぎる鍋に顔と両手を突っ込み銃を握りしめて死んでいた。傍らの料理は湯気が立っているのに、何故か遺体は死後二十四時間以上が経過していた!しかも、この現場の状況は、作家が構想中の小説『死が招く』の設定とそっくり同じだった…。エキセントリックな作家、追い詰められた夫人、奇術師、薄気味悪い娘、双子の兄弟、屍衣を纏った謎の老人―曰くありげな人物たちが織り成す奇怪な殺人ドラマ。犯罪学者アラン・ツイスト博士が快刀乱麻を断つ本格探偵小説!シリーズ第二作。
著者等紹介
アルテ,ポール[アルテ,ポール][Halter,Paul]
1955年フランス生まれ。87年『第四の扉』でコニャック・ミステリ大賞を、次作で冒険小説大賞を受賞した。フランスでは珍しい本格派の旗手として、主にツイスト博士シリーズで人気を博す
平岡敦[ヒラオカアツシ]
1955年生、早稲田大学文学部卒。中央大学大学院修了。フランス文学翻訳家、中央大学講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
geshi
26
密室に”顔のない死体”に奇妙な現場状況とそっくりのミステリ小説、次から次へと積み重ねられる謎の魅力で掴んで離さない。顔のない死体ものゆえの仮説とその潰しの二転三転するプロットがパワーあるし、そこにハースト警部のコメディーリリーフっぷりがうまく嚙み合ってる。”意外な犯人”を導くための手掛かりの出し方が唐突すぎたり、肝心の密室トリックが謎の数に比べてシンプルなものだったり、精緻さが足りず肩透かし感は否めない。本格魂に溢れているので嫌いに離れないが、長編にしたりせず中編ぐらいならこれでも良かったのかも。2021/11/13
でかぱんちょ
16
ディクスン・カーを敬愛してやまない作者が書いたクラシックな本格ミステリー。怪奇趣味な設定が盛りだくさん・・のはずなのに読みやすくてあっさりした印象。でも最後まで楽しめたので、また気軽に読みたくなったら次作を手に取ってみようかな。2020/04/30
イエローバード
12
密室殺人の古典ミステリ。奇術師やら双子の兄弟やら、謎の老人やら怪しげな人物がぞくぞく登場。そのたびに驚いていては疲れてしまうほどだが、ページ数は短く面白かった。ただトリックがこみ入りすぎてそこは読むだけなのが残念。2023/02/25
ホームズ
9
密室で顔と手を料理されている状態で発見された被害者。被害者の双子の弟。被害者である作家の新作の内容と同じ殺害方法。結構おもしろげな謎が良かった(笑)訳のおかげか読みやすくドンドン読めてしまった(笑)謎の面白さはあったけどもう少し結末にパンチが欲しかったかな~(笑)2010/10/31
ゆみこ
6
自作のミステリーと同じ状況で死んだ作家。湯気のたった料理と共に見つかった遺体は死後24時間以上が経過していた 怪奇ムードたっぷりではあるがそこ以外は淡々とした印象 本家ディクスン•カーもこんな感じなのかな?2023/10/10