内容説明
人は思考の基本となる概念を生得的にもつ。それは「所有」「移動」「目的」などの概念で、言語に組み込まれ、単語の「意味」や、単語と構文の結びつきを規定し、また、これらの概念を柔軟に組み合わせて人は思考する。give、put、takeなどのベーシックな動詞の概念を手がかりに、文法を知らない幼児が複雑な動詞構文をどのように習得し、人の心がことばの意味をどう表象するのかを明らかにする。極端な生得説や語用論、言語決定論を実証的に退け、思考と言語のダイナミックな関係を解き明かす。
目次
第1章 ことばは世界をどう捉えるか―五つのトピックから(ことばと思考のかかわり;ことばと現実のかかわり;ことばと社会のかかわり ほか)
第2章 動詞構文から見える人間本性―概念意味論のダイナミズム(動詞と構文の複雑な関係;幼児はいかに所格構文を習得するのか;地と図の反転―認知の柔軟性 ほか)
第3章 こころは「意味」をどう表象するか―三つの理論の検証から(五万個の生得的概念?―極端な生得主義;「動詞の意味」は分解できる―極端な生得主義への反論;ことばの意味など存在しない?―ラディカル語用論 ほか)
著者等紹介
ピンカー,スティーブン[ピンカー,スティーブン][Pinker,Steven]
現在、ハーバード大学心理学研究室教授。視覚認知と幼児の言語獲得についての研究により、米国心理学会から「Distinguished Early Career Award」、および、「McCandless Young Developmental Psychologist Award」受賞。2004年にタイム誌の「世界でもっとも影響力のある100人」のひとりに選ばれた。著書に、『心の仕組み』(NHKブックス、「ロサンゼルス・タイムズ」ブック賞ほか受賞)などがある
幾島幸子[イクシマサチコ]
早稲田大学政経学部卒業。翻訳家
桜内篤子[サクラウチアツコ]
ブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ)卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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