NHK出版新書
レイヤー化する世界―テクノロジーとの共犯関係が始まる

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  • サイズ 新書判/ページ数 278p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784140884102
  • NDC分類 304
  • Cコード C0236

内容説明

情報技術の革新は、メディアや産業の構造を根底から変え、超国籍企業を生んで労働と富のグローバル化を加速し、国ぐにの力を殺いだ。ITを基盤としたシステムそのものが権力化するなか、個人もまた、生きかたの変容を迫られている。これから来る世界はいったいどのようなものなのか。そこでわれわれはどう生きていけばいいのか。斯界の第一人者が、テクノロジーの文明史を踏まえて未来の社会像を鮮明に描き出す。

目次

プロローグ 現代―第三の産業革命が起きている
第1部 中世―多くの民族がともに栄えた帝国の時代(かつてヨーロッパは辺境の地だった;なぜ中世の帝国は滅んだのか)
第2部 近代―私たちが「国民」になった時代(「国民」は幻想からやってきた;「民主主義」という栄光;崩壊していく民主主義と国民国家)
第3部 未来―“場”の上でレイヤー化していく世界(すべては“場”に呑み込まれる;レイヤー化する世界;「超国籍企業」が国民国家を終わらせる;新しい世界システムと私たち)

著者等紹介

佐々木俊尚[ササキトシナオ]
1961年兵庫県生まれ。作家・ジャーナリスト。毎日新聞社で12年あまり事件記者を務めた後、月刊アスキー編集部に移籍。独立後フリージャーナリストに。ITと社会の相互作用と変容、ネットとリアル社会の衝突と融合を主なテーマとして執筆・講演活動を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あちゃくん

35
これまでの人類の歴史を俯瞰しつつ、「ウチ」「ソト」の感覚から、レイヤー化していく過程を描いた本です。著者の指し示しているレイヤー化という方向性には同意しつつも、多分「ウチ」「ソト」の感覚は無くならないだろうなと思います。人間には身体があり、そこを出発点として、どこでバランスするかは様々だろうけれども、「ウチ」「ソト」の感覚は生き続けると思います。バランスが違う人たちに周りを囲まれながら、どうやって生きていくのか、そこに明確な答えはないけど、いろいろ考えさせられました。2013/07/21

baboocon

24
前半は中世の帝国の成り立ちから辺境の地だったヨーロッパが覇権を握り、近代国民国家が成立するまでの流れをざっくりとわかりやすくまとめている。ウチとソトを分け、ソトから収奪することでウチが豊かになってきたが、収奪するソトがなくなってきたことで行き詰まりをみせている。今当然だと思っている枠組みが数百年前には全く存在しなかったことを考えると、起こりつつある変化は一つのパラダイムの終焉なのだろう。乗り切るためには柔軟な態度をとり、著者の言葉を借りるなら「アメーバのようにくねくねと」動き回り続けていくべきなのだろう。2013/07/20

ふろんた

23
レイヤーという言い方がしっくりこなかったが、自分に当てはめても、同じ会社に勤めている他部署の日本人より、同じ職種に従事しているメールのやり取りでしか交流のない外国人のほうが心理的に近く感じることもあるので、そういうことなんだろうな。2016/01/14

Kentaro

21
工場がデジタル化して最新鋭のICTやIoT、AI等を駆使して、これまで人間がしていた仕事をロボットが行えるようになり、そのロボットが期待通り動くためのデータをため、機械が学習し、ロボットに制御を返すというデジタルのプラットフォームが工場のオペレーションを支配する。 ロボットが人間の労働を肩代わりしてくれるので、人間は知的な仕事に専念でき、仕事はなくならないというが、レイヤー化された世界では、プラットフォーム側が支配者になり、それを制御する仕事を担えるような高度な技術者は数えるくらいしかないだろう。2019/03/01

たー

18
一足飛びにここまで行くのかどうか分からないが、近未来の予測として分かりやすく説得力があると感じた。前半の中世、近代の世界の解釈も分かりやすかった。2015/09/18

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