NHK出版新書<br> 本当は危ない『論語』

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NHK出版新書
本当は危ない『論語』

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  • サイズ 新書判/ページ数 251p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784140883419
  • NDC分類 123.83
  • Cコード C0298

内容説明

『論語』はただのお説教本ではない。扱い方によって猛烈な毒にも最良の薬にもなる恐るべき力を秘めた書物である。その力は東洋の歴史を支配し、幕末の日本に革命をもたらした―先入観なしに『論語』を精読するために不可欠な基本知識を踏まえながら、この多面的で危険な古典の神髄を解き明かす画期的な『論語』読本。

目次

第1章 『論語』誕生(はじめは二流の古典だった;バイブルは『書経』である ほか)
第2章 孔子の謎(聖人としての孔子;孔子を激賞した司馬遷 ほか)
第3章 危うい『論語』の読みかた(神髄は擬音感にあり;わずか数系統に分けられるキーワード ほか)
第4章 革命の書『論語』と日本人(異質の思想;日本最古の『論語』 ほか)

著者等紹介

加藤徹[カトウトオル]
1963年、東京都生まれ。中国文学研究者。東京大学文学部、同大学院で中国文学を専攻。北京大学留学などを経て、明治大学法学部教授。専攻は京劇史。著書に『京劇』(中公叢書、サントリー学芸賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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獺祭魚の食客@鯨鯢

60
 論語は孔子の言行録であり、日本人の社会秩序を守る道徳や倫理の規範となってきました。  この中には私たちに響く至言がありますが、民主主義の現代に?と思うような統治者の論理も述べられています。 「民は之に由らしむべし、之を知らしむべからず」(「論語」泰伯第八) 古来、東洋の統治者は民の耳目を覆って真実を隠すことに腐心してきた。「理世撫民」(人民は撫でて育てるものである。)  西洋流の国民主権の考え方はあくまでも擬制であり、現代の統治者も真実から耳目を遠ざけようとします。コロナ禍の場合もそうなると思います。2020/05/01

ロッキーのパパ

7
論語の成り立ち、孔子の生涯、日本における論語の受容の歴史など、論語にまつわる話題が書かれている。儒教の宗教的側面を強調している点が目新しい。孔子自らではなく弟子たちが著述した点や教団による布教などキリスト教と似ている感じがした。それにしても、一種の儒教教団である松下村塾のメンバーが倒幕の原動力であることを考えると、家康って先見性があったんだね。2011/03/13

たまネギ子

4
儒教の洗脳力というか、人の脳を騙す能力はほんと凄いと思う。顔回なんて貧困おじさんが死んだだけのエピソードなのに、なぜだか格好いいと思ってしびれてしまうもんね。自己啓発から国家平定・転覆まで、幅広く転用可能。そして『論語と算盤』みたいな使い方をすると、経済の方向性も操作可能。うーん、確かに危ない。2017/12/26

kawasaki

2
論語と儒教から古今東西縦横に話がつながる文明論・日本論。「穏健な道徳」どころか体制転覆にまで突き進める儒教の急進性、どっぷりハマれる論語の面白さなどをかけたタイトルであろう。実証を蹴倒して高く飛び上がったところから見晴らす爽快さがあり、ときどき「論拠は何だ」とブレーキをかけて読まないと、語りの面白さに巻き込まれる。印象に残るのは、志学而立を孔子の負け自慢(14まで学問嫌いで29まで自立できなかった)と読む味わい、「読書の本質は著者と読者のぶつかり稽古」との著者の説。さまざまな論語・儒教本が読みたくなる本。2017/12/20

おるべあ

2
生身の人間としての孔子の生涯を詳しく知ることで、後世の人々の解釈を離れて「論語」そのものに近づけた気がする。ガチガチの教訓書としてではなく、「こうするのがホントは理想なんだけどね」と苦笑しながら孔子が語りかけてくる本として改めて論語を読みたくなった。2017/08/29

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