内容説明
唯識思想は仏教でありながら科学、哲学、宗教の三面を兼ね備えた、世界に通用する普遍的な思想である。不可思議ともいえる心を、深層から観察・分析し、その秘密を解き明かした唯識。混迷の時代といわれる今、迷いから悟りへ、混迷から平安へ必ずや導いてくれるだろう。
目次
第１章 一人一宇宙
第２章 心が迷う
第３章 意識の働き
第４章 心は微細に働く
第５章 自我に執われてしまう人間
第６章 すべてのものは心が生み出す
第７章 新しい身体観
第８章 心の深層が作り出す自然
第９章 ヨーガの生活
第１０章 さわやかな覚醒の朝を迎える
第１１章 他者のために生きる
第１２章 「唯識」をいまに生かす
著者等紹介
横山紘一［ヨコヤマコウイツ］
１９４０年福岡生まれ。１９６４年東京大学農学部水産学科卒業。１９６７年東京大学文学部印度哲学科卒業。１９７４年東京大学大学院印度哲学博士課程修了。現在、立教大学文学部教授。「性相学辞典」を編纂中。鹿島神流師範代
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感想・レビュー
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ちこたん
32
★★★☆☆仏教について全くの無知でしたが、それぞれの用語や概念については丁寧に説明されているので、なんとなく理解できたつもりになりました。でも章を読み進めるごとに、また謎ばかりが増えていく不思議。とりあえず一冊読んだだけで理解できるような思想じゃないってことは理解できました。今回生じた疑問を入門として、さらに学んでみたい。「唯心如夢」は映画『マトリックス』、「無我」は伊藤計劃著『ハーモニー』、「一水四見」は梨木香歩著『家守綺譚』を彷彿とさせる。2015/12/08
kochi
24
佐藤優氏の獄中記に紹介されていた本の一つ。クリスチャンである彼が興味を持つ仏教の一派である「唯識」は、ヨガ（ここでは、座禅と言った方が良いかも）の実践を継続し、心のけがれをはらい、菩薩、仏への道を目指す。物事に執着する「自分」と言うものは無く（無我）、「識」すなわち心だけがあり、心の外にはものはないとする。そんな考えと、他人である衆生救済に徹する菩薩が共存するところが、仏教のすごいところ。2013/07/18
魚京童！
14
理論はなんとなく掴めてきた。だから次は行動を知りたい。何をすれば良いのか。何を意識するのか。どう考えるのか。2017/01/18
ワカモレナッチョ
3
著者の主観的道徳観が随所に語られており、それが唯識を理解するための例として語られているのか、ただ一般論として語られているかの区別ができず戸惑うことが多かった。私の知識が無さ過ぎるのも原因だろうが、もっと客観的に解説しているものを読んでみたいと思った。2014/07/14
Backyard
3
どうも最近、「直観」だとか「感じること」が強調されがち（特にスピリチュアルな人たち）。でも、その前段として「自分で考えること」も大切なことなのだと改めて感じた１冊でした。 きちんと唯識論を体感として理解できているかはわかりませんが、図説もされていてその構造はわかったかな・・と思っています。2013/12/24
