目次
住まい
集まって住む
広場
都市1(二〇世紀の夢;都市に生きる;都市の記憶)
コラボレーション
場をつくる
人を育てる場
復興から
庭園
つくりながら考える
著者等紹介
安藤忠雄[アンドウタダオ]
1941年、大阪生まれ。独学で建築を学び、69年に安藤忠雄建築研究所を設立。「住吉の長屋」(76年)で79年度日本建築学会賞受賞後、アルヴァ・アアルト賞、フランス建築アカデミーゴールドメダル賞、プリツカー賞、日本芸術院賞、イギリス王立英国建築家協会ロイヤルゴールドメダル賞、フランス文学芸術勲章、アメリカ建築家協会ゴールドメダル賞など受賞多数。コロンビア、ハーバード大学など客員教授を歴任し、現在は東京大学教授。ニューヨーク近代美術館で個展を開催
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ビイーン
27
安藤忠雄が建築に対して熱く語っている。この方の尽きぬ創造力には建設業界関係者として尊敬の念を抱かずにはいられない。本書の影響は世界中を旅してみたいと思わせるところ。安藤さんは凄過ぎる。2017/10/01
sabosashi
11
建物は、建築は土地に抗するものか。そうではないだろう。土地といかに馴れ親しむかにテーマがある。 まずはひとが土地になにを建ててきたかを眺めなくてはならない。そのための放浪、遍歴。ちょうどかつて小澤征爾が試みたように。あるいは根はひとつなのかも。 そうなのだ、建物とか建築とかいっても、やはり人に帰ってこなくてはならない。人間学としての建築。 文字通り、人文学の伽藍としての建築。 できるかぎり平易に語ってくれているという印象。 うむ、安藤建築をもとめての旅に出なくてはならないな。 2022/08/24
ネムル
7
「建築をつくるという行為のもつ意味の一つは場所に内在する歴史、風土といったものを顕在化しその記憶をとどめていくことにあるのではないか、ということです。建築には、その拠って立つ環境に対して、何らかの応えを返す責務があるように思えるのです」、近現代の建築を学ぶと同時に、住居・広場・庭園・復興といった問題への安藤忠雄の解答の数々を追う構成になっている。土地・歴史・記憶を重んじる姿勢が興味深い。それにしても、出版時の2002年にはまだマンハッタンのペントハウスが実現してなかったのか。2015/11/11
デコボコ
6
安藤忠雄『家 1969→96 (住まい学大系)』は、やや抽象的でまとまりが悪いと感じたのですが、本書は、影響を受けた建築・アートを紹介しながら彼の思想・発想法を語り、それを受けて完成した自身の作品を紹介するという綺麗な流れですすみ、写真も豊富で大満足でした。 「住吉の長屋」の理念も掴めた気がします。2014/03/31
いのふみ
5
建築学概論の教科書のようだった。コルビュジェやミース・ファン・デル・ローエへの傾倒がやや強いのだなと感じるが、建築史の流れの中で自分の建築を振り返り、位置づける試みとも言える。建築にとって大事なのは、ただ住む・使うのではなく、流れ、うねり、よどみ、交わりを生み出すこと。独学の人とは思えない認識力、先見性。一方で、独学だからこそ、この豊かでダイナミックな見識が生まれたのだとも感じられる。そこに建築家としての膂力、底力があると思う。2017/12/20