内容説明
人は草木のように生きて、草木のように死ぬ―。前線を越え行軍の途上で出会う山の民は、焼畑を糧に、森羅万象に宿る精霊を畏敬し、息を潜めて生きていた。これは、三年七ヵ月に及ぶ苛烈な従軍をとおして、複雑な歴史背景と奥深い風土が織りなす世界で、固有の文化を育み続け、簡勁に暮す人びとの生と死を記録した稀有な民族誌であり、美しい森の叙事詩でもある。第二十七回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
目次
第8章 山の道
第9章 源流の里
第10章 森の精霊と他界の山
第11章 峡谷の実り
第12章 森の熱
第13章 雷鳴越境線
終章 生命の河
著者等紹介
吉田敏浩[ヨシダトシヒロ]
1957年、大分県臼杵市に生まれる。1981年、明治大学文学部卒業後、フリーのジャーナリストに。現在、フリーのジャーナリスト集団「アジアプレス・インターナショナル」に所属。1977年にビルマ・シャン州の解放区を訪れて以来、ビルマ、タイ、アフガニスタン、インド、バングラデシュなど、アジアの諸民族の世界を訪ねる。1985年3月から88年10月まで、ビルマ北部のカチン州、シャン州へ長期取材。その記録をテレビ番組「回想のジャングル」(NHKスペシャル:1989年6月18日放映)で発表する。『森の回廊』で1996年に、第27回・大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。著書に『宇宙樹の森』(現代書館)、『北ビルマ、いのちの根をたずねて』(めこん)、『生命の森の人びと』(理論社)がある。共著に『アジア大道曼陀羅』(現代書館)、『世界の民・光と影』(明石書店)などがある
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ちあき
日暮里の首領様