バースト!―人間行動を支配するパターン

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  • サイズ B6判/ページ数 412,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784140815540
  • NDC分類 361.4
  • Cコード C0098

内容説明

人は自分が数学的に解明されるほど単純な生き物だとは思ってもいない。しかし、中世の十字軍騎士の人並み外れた行動にも、アインシュタインが書く手紙の頻度にも、そして現代人のeメール送信にも、みなバーストのパターンが現れていた。著者のアルゴリズムによる解析が、その衝撃の結果を明らかにする。複雑な数式を一切使わずに最新の複雑ネットワーク理論を展開する、知的好奇心を大いに刺激する一冊。

目次

業界一のボディガード
新教皇誕生
ランダム運動の謎
ベオグラードの決闘
未来はまだ検索できない
おぞましい予言
予測なのか予言なのか
十字軍結成
罪と罰―人間行動がランダムなら
不測の大虐殺〔ほか〕

著者等紹介

バラバシ,アルバート=ラズロ[バラバシ,アルバートラズロ][Barab´asi,Albert‐L´aszl´o]
1967年3月30日トランシルヴァニア生まれ。ハンガリー、ルーマニア、アメリカの市民権を持つ。2012年現在、ノートルダム大学コンピューターサイエンス&エンジニアリング特任教授、ノースイースタン大学物理学部・生物学部・およびコンピューター&情報科学部特別教授(Distinguished University Professor)、同校で複雑ネットワーク研究センター長を務め、またハーヴァード大学医学部講師も務めている

青木薫[アオキカオル]
翻訳家、理学博士、1956年生まれ。京都大学理学部卒業、同大学院修了。数学の普及への貢献により2007年日本数学会出版賞を受賞

塩原通緒[シオバラミチオ]
翻訳家。1966年生まれ。立教大学英米文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roughfractus02

10
予測不能の性質は予測可能である。サイコロを振る際の均等なランダム性と異なり、人間行動のランダム性はベキ乗則に支配され、不連続で急激に変動する(ロングテールのイメージ)。電子メールのアクセス解析を行う著者は、一通も発信がなかったり大量に発信されたりする断続的性質(バースト)を確認する。この性質は現代だけでなくダーウィンやアインシュタインの手紙のやり取りから偶数章で断続的に語られる中世十字軍のジョルジュ・セーケイの人生にも現れる。歴史エピソードを断片的に挟む本書自体もバーストをイメージさせる構成となっている。2020/01/17

Miyako Hongo

7
もうちょうい具体的な数字の話があるかと思ったが、概念的な話で終わる。まあポアソン分布やべき乗が数式付きで出てきたら投げ出すけど。□物事の発生や発現は完全に散発的だが、時として思いも寄らない事態が発生する事がある。経験則として皆が認めるこれを"バースト"と名付け、その発生メカニズムを物事の優先度を決める行為にあると推測する。けれどこうしたバースト現象は動物の捕食行為やDNAの複製にまで見られる。デタラメと跳躍の組み合わせが、検索の最適解で、故に進化の途上で生命の本能に埋め込まれのだ、というのは考えすぎか。 2019/01/01

きむロワイヤル

6
最初、FBI(CIAか?)に追われるハサンの話に始まり、いわゆるドージャの反乱に続く。この本で一貫して述べられているのは、人間の行動(だけでなく動物の行動もそうらしいが)は完全なランダムではなく、ある一定期間に偏って事象が起きる、つまりバースト状態というのがあるということらしい。つまり事象の分布はポアソン分布ではなく、べき乗分布となるということである。科学で確率を扱っている本にも関わらず、まったく数式もグラフも出ず、歴史物語が繰り広げらているのは驚きだが、大変面白く読めた。2015/07/17

ケニオミ

6
「人間行動を支配するパターン」というタイトルに惹かれて読みましたが、少しがっかりしました。自分が勝手に期待しすぎたせいだとは思いますが、本書で「バースト」と呼ばれているパターンは一つだけなのか?異なる状況では異なるパターンがあるのか?もう少し詳しく説明してくれるとよかったと思います。しかしながら、著者の出身国からスタートした十字軍の話はとても興味深く、その話だけでも十分楽しむことができました。2012/12/05

Sugi Takahiro

5
人間の行動の予測が出来るか? 個々人の具体的な行動は予測することは出来ない。しかし個々人の行動がランダムでない、べき乗の法則が適用される場面では、行動の波(バースト)が生じることが分かった。面白いことに、原因と考えられた人間の予定の優先原理とは関係の無い自然現象でもバーストが見られた(カモメの濡れている時間、遺伝子の発現など)。おそらく資源や時間が限られた中で進化した生物にも優先原理と似た現象が働いたのだろう。 個人の行動予測が不可能でもそれが社会全体に立ち上るわけではない。2015/05/07

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