内容説明
今だからこそ未来に語り残しておきたいあの戦争が何であったのかということを。2007年8月の放送開始以来、全国の視聴者から反響を呼んでいるNHK BShiシリーズ『証言記録兵士たちの戦争』待望の出版化。
目次
第1章 千葉県・佐倉歩兵第二二一連隊―西部ニューギニア 見捨てられた戦場
第2章 福岡県・久留米陸軍第一八師団―北部ビルマ 密林に倒れた最強部隊
第3章 三重県・鈴鹿海軍航空隊―マリアナ沖海戦 破綻した必勝戦法
第4章 福井県・敦賀歩兵第一一九連隊―ビルマ 退却戦の悲闘
第5章 静岡県・歩兵第三四連隊―中国大陸打通 苦しみの行軍一五〇〇キロ
第6章 岡山県・歩兵第一〇連隊―フィリピン最後の攻防 極限の持久戦
第7章 青森県・陸軍第一〇七師団―満蒙国境 知らされなかった終戦
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yori
4
★★★★★ 再読。この本は多くの人に読んで欲しいです。もう90歳近くになった元日本兵達のそのまま語り口調で書かれているのでとてもリアルです。。現在また戦争が美化され過ぎな気がします。祖国をまもるとか、そういう言葉に包まれて。戦争を決定する人は末端の兵士からは最も遠い立場の人。他の人達の土地で戦闘行為をすればその後ずっと恨まれます。2014/07/14
yori
3
★★★★★ アーカイブで映像も見られるので是非→ NHK 証言記録 兵士たちの戦争 http://cgi2.nhk.or.jp/shogenarchives/bangumi/list.cgi2012/08/07
mimm
2
太平洋戦争の証言記録集。口述文体が更にリアルに迫ってきます。というか日本人が日本人を殺しまくったなーという印象。しかも陸、海の上層部。机上でしか考えない人たち。苦しんだのは兵士たち。戦後も引き摺って墓場まで…。 対照的に、日本の安全な場所で、兵士を駒のように扱ってきたお偉方は、きれいさっぱり忘れていそう。(もしくは記憶を美化してそう) 理不尽な思いを抱いた一冊です。なぜ戦争が嫌か、この証言を読めばきっと伝わるはずです。あと、シベリア抑留がよく分からなくなってきました…。2015/01/29
さわき
2
故郷を離れ、遠い異国の戦場で死んでいった仲間たち。その遺骨を家族のもとに帰してやりたいと思うが、戦場では火葬もままならない。せめて小指の骨だけでも送り届けようと指を落とし焼いたという記述に衝撃を受けた。平和な現代に生きている私には想像もつかないことだ。 『二度と戦争をしてはいけない』という元兵士の言葉が心に響く。現代には現代ならではの問題がたくさんある。しかし、少なくとも戦時中のように国家の方針で人殺しを強制される事はない。この『平和』を維持していくのが、私達の努めだと思った。2012/04/27
yori
2
★★★★★ 80歳を超えた旧日本兵達が、戦争の体験を後世に伝える最後の機会と重い口を開き語った、インタビュー集。東南アジアで命を落とした人の多くが、戦闘によるものではなく、餓死、病死であった。その様子のむごさに遺族にも語れなかった、という証言が印象に残った。2010/07/20