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死体はみんな生きている

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  • サイズ B6判/ページ数 349p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784140810125
  • NDC分類 490.4
  • Cコード C0036

内容説明

死体はスーパーヒーローだ。火を恐れず、高いビルからの落下もいとわず、頭を取り外されても文句を言わない。同時に何か所にいることもできる。ただ灰になったり、土の中でじっと横たわったりする以外に、死体だからこそ成し遂げられるすばらしい業績があるのだ。自動車事故の実験台になる、美術展示品になる、植物に取り込まれる、などなど。死体が私たちのためにしてきた貢献と、将来私たちが死体となってできることについて、きわめて率直に述べた画期的な書。

目次

頭は無駄にできないすごいもの―死体で手術の練習
解剖の罪―人体解剖の始まり以来の死体泥棒などのあさましい物語
死後の生―人間の腐敗と防腐処理
死人が運転する―人体衝撃試験ダミーと恐ろしいが不可欠な耐衝撃性の研究
ブラックボックスを超えて―搭乗者の遺体が衝突のシナリオを語るとき
軍隊に入った死体―弾丸と爆弾の難しい倫理
聖なる死体―はりつけ実験
死んだかどうか見分ける方法―心臓が動いている死体、生き埋め、魂の科学的探究
頭だけ―断頭、蘇生、人間の頭部移植
私を食べなさい―薬としての食人風習と人肉団子事件
火ではなく、コンポストへ―新しい死後の生
著者の遺体―どうなることやら

著者等紹介

ローチ,メアリー[ローチ,メアリー][Roach,Mary]
サイエンス・ジャーナリスト。「GQ」「ヴォーグ」「ニューヨークタイムズマガジン」「ディスカバー」などに執筆。「リーダーズダイジェスト」にコラムを連載中。サンフランシスコ在住

殿村直子[トノムラナオコ]
1951年生まれ。上智大学文学部哲学科卒業。1989年より別宮貞徳氏に師事
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みや

41
死体の様々な活用法を述べたルポルタージュ。手術の練習、解剖、死亡時刻推定のための腐敗の研究、衝撃耐久実験、聖骸布の信憑性を検証、臓器移植、ヒト由来の薬、食人習慣、人体の堆肥化など多岐に亘る。知的好奇心を刺激する内容の連続で、盛り沢山の雑学も楽しい。人間の心臓は豚、肺はヤギ、膝はヒグマ、股関節はエミュー、脳は生後6か月のジャージー牛に似ている話が好き。10年以上前に出版された本だが、死体の専門家たちが語る危機回避知識は今でも参考になりそう。夫に向けた謝辞「死体の本を書く女を愛してくれてありがとう」が可愛い。2017/05/09

たまきら

28
これ、原文で読みたい!翻訳の方はとてもお上手ですが、もう言い回しがおかしくておかしくて。検死のお話ではありません、人間が死んだあともいかに頑張ってお仕事をしているかというお話なんです。様々な現場が紹介された中でも笑ってしまったのが、ドナーの肉体が予想外のことにも利用される部分…陰茎の整形って…あはは、アメリカだけよね?そしていろいろあっても死後は献体したいという著者に乾杯!2020/02/18

くらびす

22
彼岸にいない私たちにとって、「死」はふと日常の中に(その時々の濃淡はあれど)うかびあがってくる気配でしかない。それでも、当人が著しく他人との接触を避けたりしない限り、死は虚構などではありえない。死ぬということは、死体になるということなのだから。時間の経過が生を構成するモジュールをひとつずつ錆びつかせていくのだから。だからこそ、この本は一つのスケッチとして成り立つ。その美の根源は、われわれの誰もが、いずれ死体になるという事実に依拠している。2014/04/27

takao

4
死体の利活用。2018/01/14

まある

3
臓器移植や医学生のための解剖以外にも死体の使い道がいろいろあることがわかる。整形手術の練習台から自動車や飛行機の衝撃実験、腐敗実験・・・。好奇心旺盛なサイエンスジャーナリスト、メアリー・ローチのウィットに富む軽快な語り口が生きる一冊。2018/04/18

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