内容説明
極限にまで膨れ上がった巨大帝国。10年以上をかけて各地を巡行した皇帝ハドリアヌスが選んだ「縮小」路線。しかし坂道を下り続けるローマ帝国の願いは一つ、「ローマの永遠」だったのだが―。
目次
最果ての兵士たち―忍び寄る帝国の終焉
光と影―帝国の終焉(戦う皇帝―トラヤヌス;帝国拡大の終わり―ハドリアヌス;メッセージとしての建築;旅する皇帝 ほか)
取材記ローマ帝国を歩く(越えてはならなかった川 ドナウ川(ルーマニア)
ダキア、欲望の痕跡―ロシア・モンタナ トランシルバニア(ルーマニア)
ローマ史の「分水嶺」―ハドリアヌスの長城 ハウステッズ(イギリス)
辺境のローマ兵の手紙―ヴィンドランダ要塞 チェスターホーム(イギリス) ほか)
巻末年表・「ローマ」のひろがり
著者等紹介
青柳正規[アオヤギマサノリ]
東京大学大学院人文社会研究科教授。古典考古学・美術史。1944年生まれ。東京大学文学部美術史学科卒業。ローマ大学文学部古典考古学科留学。文学博士
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感想・レビュー
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ゆずこまめ
1
あのローマでさえ終わりは来る。でもキリスト教を受け入れたときローマはローマではなくなった気がする。2022/06/22
大塚研哉
0
世界史は嫌いだったが、面白く読めた。2013/10/05
帆保洋一
0
史上初の超大国ローマ。その拡大の原動力は柔軟な「平和政策」にあった―英雄カエサルを引き継いだ初代皇帝アウグストゥスの構想力を探り、帝国誕生までの道のりをたどる。
dahatake
0
ローマ帝国の衰退までの話。 乱れまくった皇帝。事故保身でしかない血縁に頼る価値の無さ。必ず出てくる愚帝。 それにしても、軍隊を北はイギリス、西はスペイン・ポルトガル、南はアフリカ、そして東はカスピ海までのあたり。それぞれにローマ軍と壁、市民のためのコロッセウムを築いてたりすることが壮大。 異民族の侵入が崩壊きっかけなんだろうが、そもそもが他民族での帝国の姿。属州があったわけで。 やはり歴史から学ばない人たちの姿を再認識した。2022/06/30