ケルト巡り

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ケルト巡り

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  • サイズ B6判/ページ数 216p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784140808443
  • NDC分類 293.39
  • Cコード C0036

内容説明

「おはなし」に耳を傾け、魔女と対話しながら、ケルト文化の本質、日本が学ぶべき知恵を探ります。心の専門家が「世界の西の果て」で思索する、異色のケルト探訪記。

目次

1 ケルトへの思い(旅の動機;ケルトの地 ほか)
2 ケルトのおはなし(ケルトとは;端緒 ほか)
3 ドルイド(安易な「平和論」;「自然」という言葉 ほか)
4 「魔女」とレイライン(「ウィッチ」という職業;補・自然科学 ほか)
おわりに 日本人がケルトから学ぶこと(アイルランド人・日本人;無意識の必要性 ほか)

著者等紹介

河合隼雄[カワイハヤオ]
1928年兵庫県生まれ。臨床心理学者・心理療法家。文化庁長官。京都大学理学部数学科卒業。京都大学教育学博士。京都大学名誉教授。59年、フルブライト留学生として渡米。その後、チューリッヒのユング研究所で学び、日本人初のユング派精神分析家の資格を獲得。心理学をはじめ、日本の古典文学や教育・社会問題など幅広い分野での提言・執筆活動を行っている。『河合隼雄著作集』をはじめ、著書多数
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

188
臨床心理学者の河合隼雄によるケルト探訪。ただし、ここでは紀行的な色彩は薄く、もっぱら精神の営為としてのケルトを尋ね、日本の精神風土を再考するのが目的。その基底にあるのは、西欧キリスト教文明が築き上げた現代社会への懐疑と、魂を取り戻す試みだ。そこで河合が向ったのは、西欧社会の西の辺境、コーンウオールとアイルランドだった。この地には"魔女"の看板を掲げ、商売にしている人がいるのは驚き。ただし、彼女のすることは心理療法士と基本的には同じなのだが。本書は『ナバホへの旅』と対をなすようで、ぜひそちらも読んでみたい。2014/09/14

kana

35
アイルランドと日本の昔話には類似性があり、ほぼ同じあらすじのものもあって、それが私がアイルランドケルトに魅せられる理由の一つなのですが、著者も同じ理由でケルトを好きになり、そうした精神世界の原点を辿るように、ケルトゆかりの地を巡ります。そこからアイルランドの人々同士の繋がり方が日本と共通しているという話にますます親しみを感じ、レイラインとかゲニウス・ロキとか耳慣れない神秘的なワードも意味を聴けば日本にも同じようなのあるなーと納得する。とても平易に綴られていてケルトの魅力を知る第一歩としてもオススメです。2022/02/27

Mijas

33
ケルトのような口頭伝承の文化の意義を知るために本書を読んだ。ナラティブセラピーに繋がる話。河合氏はアイルランドのストーリーテリングハウスやケルトの昔話などにみられる「日本的なもの」に注目した。「無意識」「間」「自然との共生」がキーワード。西欧近代のキリスト教的世界観と対比する河合氏の論は、本書でも展開される。キリスト教以降の昔話にはハッピーエンドのものが多いが、ケルトの昔話はそうではない。浦島太郎に似ている「オシン」が印象的。渦巻きのような終わりのないケルトの思考が少し理解できたかもしれない。2015/06/19

ぴー

29
日本やケルトを含む世界の古代文明では、神-人-自然が並立していた。人々は固有の物語を持ち、物語を通して無意識を共有した。無意識下で、死後は自然に帰り転生輪廻し、また戻ってくると信じることができ、人々の心は安定していた。その後、神→人→自然を区別するキリスト教が出現し、人は神に代わり自然を支配できると考え科学技術が発展した。意識の部分が鋭敏になり、無意識は追いやられた。無意識と意識が切り離されると人は不安になる。バランスが大切なのだ。物語研究と心理学がどう関わるのかをケルトの風を感じながら知ることができた。2017/06/20

YúKa(ユーカ)@ハガレン読み終えました

19
図書館で借りた。「物語」の話や「魔女」の話は特に面白かった。後でじっくり噛み締めながら読もうかな。2016/10/16

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