内容説明
日本の風土と食文化の中で、すしネタとしての魚、貝、エビなどがどのように利用されてきたか。自然環境のなかでどのように進化し、適応し、生活しているか。海外にまで素材を求め過熱する「すし文化」の今と、自然環境と生物の多様性の大切さを見る。ネタとしての魚貝・甲殻類の自然史と薀蓄を語るユニークな特別講座。
目次
第1章 鮨は原始食―鮨の文化と自然の多様性(熟鮨から江戸前鮨へ;植物が生産する炭水化物に支えられた生態系;鮨に欠かせない植物;その他の植物と鮨;鮨を永続させるために)
第2章 魚類1(スシネタの魚たち;鮨の歴史と二つの系統;淡水魚のスシネタ;赤身のスシネタ)
第3章 魚類2(代表的な海のスシネタ五種類;スシネタと環境の変化)
第4章 甲殻類―および棘皮動物・原索動物(エビとカニは甲殻類;甲殻類のスシネタ;棘皮動物のスシネタ原索動物のスシネタ)
第5章 貝類(貝は、貝殻を持つ軟体動物;枯渇する国内産の貝)
著者等紹介
大場秀章[オオバヒデアキ]
1943年生まれ。東京大学理学部講師を経て80年助教授。現在は東京大学総合研究博物館教授
望月賢二[モチズキケンジ]
1946年生まれ。東京大学総合研究資料館助手、千葉県立中央博物館自然誌・歴史研究部長を経て現在は同博物館副館長。専攻は資源生物学、魚類学
坂本一男[サカモトカズオ]
1951年生まれ。97年に(財)水産物市場改善協会・おさかな普及センター資料館長に就任、東京大学総合研究博物館動物部門の協力研究員、武蔵工業大学講師を務める。専門は魚類学で魚名の由来、食べ方などまで多分野にわたって研究。図鑑や学術書などの共著も多数
武田正倫[タケダマサツネ]
1942年生まれ。日本大学医学部生物学教室助手を経て、現在、国立科学博物館動物研究部部長。1995年より2003年まで東京大学大学院理学系研究科教授
佐々木猛智[ササキタケノリ]
1969年生まれ。1999年から東京大学総合研究博物館助手
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