内容説明
モノ作りでは世界的な地位を築き、多くの外貨を稼ぎ、経済大国になった日本。しかし、それを護るべき日本の金融機関が護送船団方式に安住している間に世界経済は驚くべき変貌を遂げている。世界の金融界のデファクト・スタンダードを作り上げた革命児たちの思想と方法に迫り、来る２１世紀の世界経済を予見する迫真のヒューマン・ドキュメント。
目次
１ 巨額損失を出した花形トレーダーたち
２ 地方自治体を破綻させたデリバティブ巨額損失
３ デリバティブを作って売る人、リスクを知らずに買わされる人
４ リスク管理を可能にするバックオフィス用ソフトウェア
５ 国家財政破綻へ至ったロシア版「マネー革命」の真実
６ 「夢のヘッジファンド」破綻の真相と救済劇
７ 金融システム崩壊の悪夢・ブラックマンデーの１日
８ リスクを封じ込んだ破綻銀行買収の１０日間
９ 複雑系人工知能が描き出す市場崩壊のシナリオ
１０ チューリップ投機が警告するリスク社会の未来
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山口透析鉄
20
現代金融資本主義、マネー資本主義に対する抜本的な批判ってさすがにかなり困難で、リーマンブラザーズ破綻でこのシリーズに出てきた優秀とされる方々も相当に大損をこいたでしょうね。亡父も出張中に資産を半分に目減りさせていたようですが、そういう不都合な事実は子どもには絶対に言いませんので……相田氏もものづくりの現場を長く取材されてきて優れたTV番組を作ってきた方ですから、現代の錬金術たるマネーゲーマーには感情移入は全然出来なかったようでしたし、それで正しかったような気はしますね。2007/05/06
ライアン
18
最終巻のこれも面白かった。今回はデリバティブのお話。結局どこまでリスクを管理できるか、ってことだよね。でもって美味しい話なんてないということもデリバティブは売る側も買う側にも責任がある、という言葉があったけど実際売り買いしてる人達はそんなこと考えてないだろうな。このシリーズは時間おいてまた読みたいな。2016/09/14
c3po2006
1
★★★★2022/05/30
かおる
0
金融工学について初心者でも学べる。2016/11/29
nowhereman134
0
全巻本当に面白かった。◆すべてを通して一番印象に残ったのはこの巻のブラックマンデーの章。◆レーガン大統領の経済諮問委員会委員長べリル・スプリンケル氏に最優秀男優賞を差し上げたい。◆エンロンもサブプライムも、これが書かれた後のことだが、今読んでも充分面白い。この本に登場した人がその後どうなったかをwikiで調べるのも楽しいです。◆お勧め。2013/10/25
