シリーズ・哲学のエッセンス
フッサール―心は世界にどうつながっているのか

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  • サイズ B6判/ページ数 110p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140093115
  • NDC分類 134.9
  • Cコード C3310

内容説明

心の中に所有できない現実世界が、それでもなお、意識にもたらされるのはなぜか?客観主義の常識をうち砕く、現象学の冒険。

目次

第1章 フッサールの心の哲学―世界を表象することの転換(心は特別な存在;クオリアと志向性;志向性の二つの特徴 ほか)
第2章 言語表現とは何か(フレーゲの意味論;表現の抽出―「第1研究」の目指すもの;連想的な「動機づけ」の確立と排除 ほか)
第3章 真理へ向かう存在としての私たち―志向性の理論(表象主義2の完成へ;エマの概念;ドクサの概念―真理へ向かう存在 ほか)
前途瞥見―表象主義から表現主義へ(連続と断絶―知覚の位置をめぐって;表象主義から表現主義へ)

著者等紹介

門脇俊介[カドワキシュンスケ]
1954年北海道札幌市生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。東京大学大学院博士課程修了。山形大学助教授をへて、現在、東京大学教養学部教授。専門は現代哲学
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感想・レビュー

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イプシロン

31
先に読んだ山口一郎『現象学ことはじめ』をフッサール哲学の中後期とするなら、本著は前中期にあたる内容の核をフォローしいると言える。しかし、フッサールの原文を一切引用しない記述だけに、著者の論文と言っていいだろう。内容はフッサール哲学の肝に触れながら、著者の哲学が披瀝されてゆくので、そこを立て別けて読む必要があるだろう。内容の要旨は、信念指向性(超越論的自我≒人間は自己や他者・環境を超越して神のような視座に立って、物事を捉えようとする志向性をもつといった意)は、表象としてあらわれる世界を我々がどのように2022/09/06

ソラヲ

7
フッサールの著作を一切引用せずに、同時代人かつ現代英米哲学の基礎を形作ったフレーゲと対比する形でフッサール現象学のエッセンスを描き出した一冊。それぞれ分析哲学と現象学の源流となったフレーゲとフッサールであるが、前者の「意味(Bedeutung)/意義(Sinn)」概念と後者の「信念(定立)」概念等を比較・検討することで両者ともに「意味とは何か」という共通した問題意識を保っていたことが分かる。それにしても、文の真理値に着目して述語論理を編み出したテクニカルなフレーゲと比べるとフッサールが不器用に思えてくる。2016/04/30

hakootoko

6
最初の一冊。序論でエッセイ風味の立ち上がりなので易しいのかと思いきや専門家の講義で難しかったような。この後入門書を2冊ほど読んで、本書何も記憶がないw2021/06/24

Ecriture

6
クオリア批判がおもしろい。定立が曖昧で複数性を持ったものであることや、現象学的還元が定立を切り捨てるというよりは世界がどう定立されてしまっているかを再構成していくものだというところがこの本のウリかなぁ。デリダはフッサールを読めなかったと言われるのはこういうところなんでしょう。いい本だと思いますよん。2010/09/29

Eu_a_Krupps

3
フッサールの入門書では、「超越論的還元」や「ノエシス/ノエマ」などの用語解説を行い、主にフッサールの認識論について扱うことが多いが、本書はそれだけでなく、フッサールの言語哲学的側面を同時代の論理学・数学者であるフレーゲとの対比を用いながら解説してくれる。知覚を言語表現と同じように志向性のネットワークの一部を構成するものとして扱う彼の言語論に魅力を感じた。1000円でこれを読めるのはお得。2014/05/16

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