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潮の音、空の青、海の詩

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  • サイズ B6判/ページ数 460p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784140056684
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

地方紙連載中から評判を呼んだ小説の単行本化。被災体験、防潮堤や大規模余震など、様々な問題の中で復興に生きる人々を、現在と未来の視点を交錯させながら迫真の筆致で描く物語。

内容説明

小説という形でしか描けない3.11体験と復興が、ここにある!山本周五郎賞・直木賞受賞作家による、渾身の長編小説!

著者等紹介

熊谷達也[クマガイタツヤ]
1958年宮城県生まれ。東京電機大学理工学部卒業。中学校教員、保険代理店業を経て、1997年デビュー作『ウエンカムイの爪』で小説すばる新人賞を受賞。以後、2000年『漂泊の牙』で新田次郎文学賞、2004年『邂逅の森』で山本周五郎賞と直木賞を史上初のダブル受賞。東日本大震災以降、クルマとバイクで頻繁に被災地を訪れ、SNS等で情報交流し、様々な問題・復興の営みを肌で実感してきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みかん🍊

83
2011年の東日本大震災の際、仙台で被災した主人公は連絡の取れない両親を探し離れていた故郷の港町仙河海市を訪れる、震災の時をリアルに描かれた1部、著者のこの時を正確に残さなくてはいけないという真摯な気持ちが伝わってくる、転じて2部はいきなり60年後の未来へ跳ぶ高い防波堤に遮られて海を簡単に見る事のできなくなった未来、そして震災3年後の3部で構成される、最後はパラレルワールド?震災の記憶を風化させる事無く、これから起こりうる災害に対する防災、復興についても考えさせられる作品。2015/08/24

ゆみねこ

74
仙河海にあの日がやってきた。未曾有の震災に仙台で遭遇した聡太の視点で描く「潮の音」。あの日から復興を遂げた2060年の仙河海を呼人の視点で描く「空の青」。最終章「海の詩」ではあの日から今につながる仙河海で生きる聡太、希、笑子。「微睡みの海」からの見事なつながりに感服しました。2015/09/10

ぶんこ

60
表題それぞれの3部昨。「潮の音」では両親の行方不明を探すよりも、周囲を見に行ったり奈津子や希の手伝いを優先する点が気になりました。聡太の身近にいる女性達が皆口が達者で理屈っぽく、聡太をアッシーとして利用しているようで物語に入り込めず。「空の音」は一転して50年後。高い防潮堤への賛否は、被災者でないので言及し辛いのですが、目の前にそびえ立っていたら鬱陶しいだろうな。迫り来る津波が目に見えやすい方が逃げようと必死になっていいのだという意見も何処かで読んだ記憶があります。「海の詩」は正直よく分かりませんでした。2015/10/06

のぶ

59
東日本大震災に関しての描写に徹した作品。三部構成になっていて、第一部は小説というより震災のドキュメンタリーと言うべき内容。筆力があり仙台在住の著者だから描けた凄さがあった。第二部と第三部は未来の視点から震災を振り返っている。震災に関し描かれたものは多くあるが、こんな描写の作品はかってなかったのではないだろうか?この先長きに渡って震災を語っていく上に、残していきたい本だと思う。2015/10/16

ちゃんみー

57
3.11からの物語。第一部では震災直後、第二部ではそれから50年後、第三部では直後から後世に繋がる話。海とともに生きてきた東北沿岸部の人の想いを代弁しているかのようでした。そして防潮堤を作ることの是非や海との関わり想いについて、作者の考えていることがわかったような気がします。映像でしか見たことのない津波の恐ろしさから命を守る事は大切だが、海が見えなくなるのは辛いだろうと思います。2015/09/05

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