内容説明
二〇〇〇年、日本中を震撼させた青少年による連続凶悪犯罪。その少年たちの動機は、私たちの想像をはるかに越えるものであった。「人を殺す経験をしたかった」「人を壊したかった」という不可解とも言える「動機なき殺人」の数々。動機なき殺人の裏に隠された無意識の衝動とは何だったのか。少年たちの心の中では、何が沸き立ち、何が殺人へと駆り立ててしまったのか。彼らの語った言葉を精神分析的に分析することで、少年たちの「心の闇」を明らかにし、その背後に潜む、現在の日本が抱えている闇をも解き明かす。
目次
第1部 十七歳の犯罪(豊川主婦殺害事件(五月一日)
佐賀バスジャック事件(五月三日)
岡山の母親殺害(六月二十一日)
新宿ビデオ店爆破(十二月四日))
第2部 犯罪の低年齢化―十五、六歳の少年たちの殺人(山口の十六歳の少年による母殺し(七月二十九日)
大分の十五歳の少年による一家六人殺傷事件(八月十四日))
著者等紹介
片田珠美[カタダタマミ]
1961年、広島県生まれ。大阪大学医学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。パリ第8大学に留学。精神科医。専門は精神分析、精神病理学。日生病院神経科医長を経て、現在、人間環境大学助教授、京都大学非常勤講師
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