NHKブックス
死をふくむ風景―私のアニミズム

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  • サイズ B6判/ページ数 219p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140018903
  • NDC分類 163.3
  • Cコード C1339

内容説明

古代よりアジアにあまねく広がる一元の世界、アニミズム。森羅万象のあらゆる存在に魂を感じ、人間と自然との境界がうすれ、とけあった瞬間に、時空を超えて、そこに“カミ”が現れる。半世紀にわたり東南アジア各地でフィールドワークを続け、民族の“こころ”を追い求めた文化人類学者が、アジアの森の中から、日常の風景の中から、「同時の世界」「無限の世界」「遊び論」等、積年のアニミズム研究の精髄を抽出し、人間にとって根源的な宗教感覚を現代に甦らせる。私たち一人ひとりの死生観を揺さぶる、アニミズムの深遠とは何か。

目次

1 カミの宿る森(アニミズムの世界―無数のカミ・無数の主語・無数の中心;森の思想;宇宙樹のコスモロジー)
2 生と死のあいだ、境界のない世界(死をふくむ風景;円相のなかの生死;私という空間に去来する雲)
付 日常のなかの奇蹟

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

28
アニミズム的な価値観、世界観とはなんぞやという入門書的な一冊。嘗ての世界には神々と精霊が満ち満ちていた。動物に、植物に、自然現象に、そして僕たちの感情の動きにまで彼らの姿を見出せた。意思の疎通は難しいかもしれない。でも、何か他の存在とこの世界を共に生きている。今現在に至るまでそう信じることができていれば、人の抱える寂しさの幾許かは癒されただろうに。謙虚に世界の一部として存在していただろうに。彼らを駆逐してから人間はこの星の上で仲間を失い、霊長として驕り、気づけば一人ぼっちになってしまった。2019/02/25

長谷川透

22
アニミズムに関する入門書だが、学術的な知識を得るような類の入門書ではなく「アニミズムを日常の中でどう感じ、どうやって身体で捉えるのか」を説いた本である。自然物には霊魂が宿り至るところに小宇宙がある。宇宙を語ろうとして我々が言語を用いても我々は言語宇宙の外にはでることはできない。だから、ただその世界を風景として捉えることを著者は主張している。とりわけ樹木に対する著者の彗眼は興味深く示唆に富み、その辺りに生えた見栄えのしない樹木を見るときでさえ、これまで見てきた風景とは違う世界を捉えることができそうである。2013/09/20

arisa

1
生と死を含む存在としてある。生の相がこれほど素晴らしいのだから、死の相も豊かなはずだと思う。2022/11/24

なかたにか

0
この人の本の中ではすんなり読める本だと思うので、入門にいいかと。だいたいは「カミ」が入っているのが主著だと思いますが。

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