内容説明
人は古来、さまざまな形にどのような意味をこめ、美を創造したきたのか。紋様や美術、工業デザイン、建築に表現された多様な形。山や雲、川など自然界の形とマルや三角、四角、放物線など幾何学的な人工の形。形の体系を見直し、自然の造形に西洋の美の原理、黄金比と近似の関係を見出して、新しい構成学の地平を切り拓く。また、自然主義的な日本の造形美の秘密を解き明かし、近代的造形の世界で軽視されてきた自然界の奥深い形の復権をはかる意欲作。
目次
第1章 形を見直す
第2章 形の美学
第3章 飾る形
第4章 非定形を測る
第5章 複雑系の美学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yk
4
おもしろいテーマでした。なんとなく感じる美しさにはちゃんと理由がありましたね。僕は形で一番気にするのは全体のバランスで、それは比ですよね。まあ当たり前なんだけど昔から好きなフィボナッチ数列と同じですもんね。そして山の上から見る景色を美しいと感じる時に次はフラクタルを感じれればと思います。2017/11/01
1
賛同できない。まず、自然への嗜好性を形のみで説明するのはどうかと思う。それに、原因と結果、偶然と必然がこんがらがっている。また、普遍的な美しい形、あるいはそれに近いものが想定されていて引っかかる。論なのか、感想なのか、自然への懐古主義と言われても仕方がないのではないか。人間の感性の話も、バブル期ならともかく、資本主義のより浸透した今当てはまるかどうか。そもそも日の丸を美しい形だなどと思う人が世の中に存在することに驚いた(どうとも思わん)。複雑性、ファジィが流行った頃に無理にこじつけた感が…。2024/11/25
いまにえる
1
ヒトは何に美を感じるのかということを形という観点から解説した本。読みやすく面白かった。フィボナッチ数列=自己相似性=フラクタル性をもつ自然の中の不思議も興味深い。「八頭身美人」というのは人物そのものより比率、プロポーションの美で、然れどもそれは確かに美なのである。自然の中にこそ根源的で、しかし新しいコンピュータシュミレーションで解析、再現できる美の形というものがあるのだと感じた。2018/04/08
kyusada
1
なぜ、美しいと感じる形があるのか?ということを教えてくれる本。個人的には、日本建築の美についての解釈が面白かった。筆者によると日本建築の美の原点は、静的均衡と動的均衡が同時に存在することにあるという。別の建築の光に関する本の中で、日本建築の美の根本は光でも影でもなく、その間のグラデーションにあるという話を読んだことがあるが、今回の形の解釈についても同じことが書いてあると感じた。結局のところ、日本建築の美しさとは、変化という状態を空間として固定化したところにあるのかもしれない。2017/05/06
χ
1
どういうものがどのように美しいのかに迫ってる。自然のもの、人工のもの、幾何学的か有機的か。整ったものやパターン化されたものに美を感じるのは普遍的だが日本のあえて形を崩した侘び錆びに美を感じるのは独特2016/07/02