内容説明
ホンネとタテマエ、ウラとオモテ、閉鎖性と集団主義。日本社会について、これまで言われてきたこれらの言説は正しいのか。戦後日本の急速な技術革新、そして奇蹟的な経済成長は、どう説明されうるのか。本書は、これまでの「異質論・特殊論」を乗り越え、社会学・経済学・心理学・システム理論・文化人類学など、広範な分野の研究者たちによって多面的に描かれる日本社会論である。「ひとつの小さな行動が、全体に大きな振る舞いをもたらす」自然現象から経済システムまで、現代社会を読み解く、新たな知のパラダイム「複雑系」から、日本社会を探る。
目次
第1部 日本型システムの編成原理(日本型システムの「人間」的編成;日本社会論の方法の反省;「個人」と「間人」との相補性 ほか)
第2部 日本型システムの諸特性(オモテ・ウラの文化構造;日本型システムにおける「現場主義」;日本の知識型産業社会をどう編成するか―あるいは二一世紀型知識社会と日本システム ほか)
第3部 日本型システムの価値的基盤―対人関係観の国際比較調査の分析から(「間人主義」・「個人主義」調査の概要;対人関係観の国際比較―傾向分析;「間人主義」・「個人主義」の統計的分析 ほか)