NHKブックス<br> ペット化する現代人―自己家畜化論から

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NHKブックス
ペット化する現代人―自己家畜化論から

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  • サイズ B6判/ページ数 204p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140017357
  • NDC分類 389
  • Cコード C1336

内容説明

人類は農耕を始めて以来、自己飼育によって自己家畜化してきた。文化をもつヒトのありようは、今日、文明という人工生態系の肥大化に伴って、危機に瀕している。人間にとっての「自然さ」とは何か、現代人のペット化の歪みはいかに克服できるか、大都市に自然をとり戻すことの本質的意味、教育のあり方などを、自己家畜化という本来の存在形態から探るスケールの大きな人間論。

目次

1 対談 自己家畜化とペット化をめぐって
2 体験的自己家畜化チェック論―娘が学校に行きたがらなかった日々をふり返りながら
3 自己家畜化とは何か
4 現代人の人類的課題

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

魚京童!

18
これいい本だった。時折見せるゴミみたいな差別意識とかを除けば。大まかには自己家畜論は正しいと思うし、私なんか家畜化されていて、暇なときは寝ているだけで、起きているときは食べていて、麦酒飲んでハッピーみたいな人生だけど、それは家畜と変わらない。その通りだと思う。いつか食べられるんだ。あるいはかみさまに供えられるのかもしれない。家畜化が進んだからこそ、ここまで居心地が良い生活がおくれるのだろう。だって家畜が心地よいといい卵を産むし、いい牛乳を搾れる。家畜ってそういうことでしょ。2019/05/18

テツ

14
「生きる」ことに力も頭も使わなくてもいいように、そうした部分が弱い個体でも生きていけるように、ホモサピエンスは道具やシステムを創り上げてきた。おかげさまで現代では「生きる」ために必死になる必要は(ある程度近代的な国家に生きているのなら)ない。放っておいてもダラダラしていても死にはしない。しっかりとシステムを利用したら飢えることもない。確かにこれは家畜と、愛玩動物と変わらない在り方ではあるのかもな。それは決して悪いことではないのだけれど、そうした考え方もあるのだということは踏まえてシステムを享受したいよな。2023/07/04

kenitirokikuti

7
図書館にて。1995年刊行。〈家畜というものは、野生の動物よりもさらに一段低い存在と思う人が多いようだ。かつて『狼は生きろ、豚は死ね』(石原慎太郎作)という劇があったが、この場合に狼とは、明治維新の志士たちのことであった。しかし、志士にせよ、何にせよ、社会の変革を夢見る限り、彼らを狼やライオンにたとえるのは、いささか無理である。人間のもつ社会とは、人工的な環境の上にいとなまれた世界なのである〉(羽仁進)。野生動物が家畜化すると脳が縮退するが、ヒトは脳化が進む。2021/04/08

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