内容説明
この目で見た世界と実存する世界は同じものなのか?近代哲学がついに超えられなかった難問を、“世界が造られる場”として意識を捉え直すという発想の転換でかわしたフッサールの考え方の芯を、できるだけ平明な言葉でわかりやすく紹介。
目次
第1章 現象学の基本問題(「近代哲学の根本問題」―「主観と客観」;近代の哲学者たち―デカルト、カント、ヘーゲル、ニーチェ)
第2章 現象学的「還元」について(発想の転換―デカルトの「夢」について;「還元」の意味―「確信」の生じる条件;「諸原理の原理」;知覚直観と本質直観〈本質観取〉)
第3章 現象学の方法―『イデーン』を読もうとする読者のために(自然的態度、素朴な世界像について;〈還元〉の開始―エポケーの方法;「純粋意識」という残余、超越論的主観について;超越論的主観における「世界の構成」;事象は「志向的統一」である;〈内在―超越〉原理;意味統一としての「経験」;〈ノエシス―ノエマ〉構造)
第4章 現象学の展開―〈還元〉は誰にでもできる理由(近代的な世界像の成立;超越論的主観性と間主観性―他我経験の現象学;生活世界の現象学)
第5章 現象学の探究(現象学的“反批判”;サルトルとポンティ―現象学の難問;ハイデガー存在論の挑戦)
現象学入門/用語解説