芸術の逆説―近代美学の成立

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  • サイズ A5判/ページ数 282,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784130802024
  • NDC分類 701.1
  • Cコード C3070

出版社内容情報

今日呼ばれている「芸術」とは一体何か? 「芸術家」「作品」「独創性」といった芸術を支える概念は,一八世紀ヨーロッパにおいて誕生した.バークやカントら諸理論をにたどりつつ,この近代的な芸術観の特質を明らかにする.美やアートに対する私たちの思考そのものに変容を迫る芸術の概念史.

内容説明

今日呼ばれている「芸術」とは一体何か―。「芸術」という概念は、「芸術家」「作品」「独創性」などの諸概念とともに近代ヨーロッパに誕生した。これは「美学」という近代的学問の成立とも連関している。本書は、バークやカントらのさまざまな理論をたどりながら、この芸術観の根底にある逆説―自然と人為、伝統と革新などの価値が交叉するという逆説―をさぐり、私たちがいまだその内部にとどまっている「近代的」芸術観の意義を明らかにする。美やアートに対する理解そのものに変容を迫る芸術の概念史。

目次

プロローグ 芸術の誕生
第1章 創造
第2章 独創性
第3章 芸術家
第4章 芸術作品
第5章 形式
エピローグ 芸術の終焉

著者等紹介

小田部胤久[オタベタネヒサ]
1958年東京に生れる。1981年東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科、ハンブルク大学哲学科に学ぶ。1988年神戸大学文学部助教授。現在、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部助教授
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tieckP(ティークP)

8
学術書の感想を述べるのに、「丁寧だ」ということを強調するのは失礼だろうか。しかし、本書は派手な身ぶりで未熟な読者にすごいと思わせることなく、しかし読もうという意欲を継続させ続ける。まず原典に丁寧であり、自らの説を組み立てる前にその原典の言わんとするところを精読するという、当たり前ながら厳守するのが難しい掟を守り、次にそれを、読者の理解が筆者と同等であるとみなさずに、難解な概念を解きほぐしながら丁寧に述べている。内容は古典美学から近代美学への転換を扱ったものだが、その質は手続きの丁寧さに担保されている。2017/10/19

Hiroki Nishizumi

1
ちょっと歯が立たなかった2021/06/21

Go Extreme

1
芸術の誕生 近代的概念としての芸術 術語の成立 古典的芸術観とハビトゥス 芸術と学問の分離 技術の脱ハビトゥス化 創造:創造の類比と可能的世界 可能的世界の理論 ウォルフ学派 自然の規範性の解消 想像力の創造性 自然の規範としての芸術家 大地の逆説 独創性:地理上の発見と独創性 権威からの解放 独創性と範例性 芸術家:表象から共感へ 表象から表象する主体へ 近代の反省的知性と芸術家 芸術作品:近代の技術観 自然と技術の交叉 形式:絵画の魂としての彩色 音楽の自己完結性 自己自身と戯れる言語 芸術の終焉2021/04/23

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