出版社内容情報
バビロニアの数学――それはメソポタミア出土の粘土板に楔形文字で刻まれた世界最古の数学である.本書は,日本で唯一のバビロニア数学の研究者が,自身の15年以上にわたる研究をもとに,その全容を明らかにするものである.古代精密科学史の到達点を示すとともに,数学の起源をめぐる考察に重要な示唆を投げかける.
内容説明
本書の目的は、バビロニア数学の概要を、数学史、科学史そして古代文化史に興味を持つ人たちに、簡潔に伝えることである。その際、著者は次の三つのことに留意した。第一に、引用する原典資料はすべて、シュメール語またはアッカド語から直接日本語に訳すこと。これは、今までに日本語で書かれたバビロニア数学の解説の中に、外国の書物からの孫引きに起因する、数多くの誤りを見てきたからである。第二に、数学文書と関係のある文書または背景を理解するうえで大切と思われる文書を原典資料に基づき紹介すること。これは、バビロニア数学の多くの問題が、当時の社会の関心事を題材にしているからである。第三に、楔形文字やシュメール語とアッカド語に関する知識がなくとも、高校程度の数学がわかれば本書を読む通せるようにすること、であった。
目次
第1章 序論
第2章 数の体系と数表
第3章 初期の計算問題
第4章 古バビロニア時代の数学
第5章 後期バビロニア時代の数学
第6章 バビロニア数学の評価
感想・レビュー
-
- 和書
- クリアー数学B (新制)