出版社内容情報
多元国家カナダは,社会の成り立ちや歴史的経緯のもと,社会風土になじんだ独特の福祉制度を導入してきた.分権と集権,民営化といったわが国がかかえる問題も先行して経験しており,伝統的福祉国家とは違った意味でカナダの社会保障の分析は欠かせない.
内容説明
先進諸国は福祉国家の再構築という大きな課題に直面している。このことはわが国にとっても例外ではない。福祉国家の再構築はもっとも緊急性の高い政策課題である。年金、医療、介護、福祉の諸領域において、21世紀を展望する改革が求められている。その際、われわれは他の先進諸国において進められている改革の理念と方法から多くを学ぶことができるであろう。もちろん、われわれが学ぶべきものは個別の制度様式そのものよりも、全体としての改革のパターンや方向性であろう。このような問題意識に基づいて、編者らは国立社会保障・人口問題研究所の共同研究プロジェクトとして、先進諸国の社会保障制度改革の研究を計画し、ここにその成果を『先進諸国の社会保障』全7巻として刊行する運びとなった。
目次
第1部 社会保障の背景(カナダ社会保障制度の概要と特色;経済と人口・社会構造 ほか)
第2部 所得保障(年金制度;労災補償制度 ほか)
第3部 医療保障と社会サービス(医療制度;医療保険―財政連邦主義の終焉 ほか)
第4部 社会保障改革の動向(行財政改革;社会保障制度における民営化の動き―連邦、州、営利、非営利の役割分担)