出版社内容情報
東アジアの関係構造は大きく変わろうとしている.遠からず「環中国圏」の枠組が浮上するとき,それは日本に鈍い“第二の衝撃”となるに違いない.ほぼ一世紀余にさかのぼる変化に,どう対応していくのか.問われているのは「後れた」中国という明治以来の時代の偏見であり,実質を失いつつ宙に浮く日本の「近代の優越」である.
日経新聞8/18夕刊「プロムナード」で紹介.アジアカップでの反日感情の背景を理解するために、「視野を与えてくれる快著」
内容説明
進展する経済と、わだかまる歴史問題。いま中国をどう見たらいいのか?西洋化ではないアジアの近代を描いて、日中間にあらわな断層と齟齬に挑む。
目次
序 “中国の衝撃”
1 中国と「自由」「民主」
2 現在形の歴史とどう向き合うか
3 歴史認識問題はどう問題なのか
4 歴史のなかの中国革命
5 中国近代の源流
6 再考・辛亥革命
7 二つの近代化の道―日本と中国
8 礼教と革命中国
9 もう一つの「五・四」
付 歴史叙述の意図と客観性
著者等紹介
溝口雄三[ミゾグチユウゾウ]
1932年名古屋に生れる。1956年東京大学文学部卒業。埼玉大学教授、一橋大学教授を経て1981年東京大学文学部教授。1993年大東文化大学教授。現在、東京大学名誉教授、中国社会科学院(大学院)名誉教授、文学博士
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