進化と人間行動

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  • サイズ A5判/ページ数 291p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784130120326
  • NDC分類 467.5
  • Cコード C3011

出版社内容情報

人間とは何か? この永遠の問いに対して,近年,進化生物学が新たな光を当てるようになってきた.人間もまた進化の産物であるという視点に立つと,人間の行動や心理はどのように捉えなおすことができるだろうか.注目の「人間行動進化学」への招待.

内容説明

人間もまた進化の産物であるという視点に立つと、人間の行動や心理はどのように捉えなおすことができるだろうか。本書では、最新の進化生物学の知識をもとに、人間の行動や心理を解明するための一つのアプローチを概説する。

目次

第1章 人間の本性の探求
第2章 進化の概念
第3章 遺伝子と行動
第4章 「利己的遺伝子」と「種の保存」
第5章 ヒトの進化
第6章 血縁淘汰と家族の絆
第7章 血縁者間の葛藤
第8章 協力行動の進化
第9章 雄と雌の葛藤―性淘汰の理論と証拠
第10章 ヒトの繁殖と配偶システム
第11章 ヒトの配偶者選択・配偶者防衛
第12章 再び遺伝と環境、学習、文化

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

那由田 忠

18
適応行動論の教科書。2000年刊行なので知識は古くなった部分もあるが、教科書だけあって丁寧に書き込んであってわかりやすい。生物の「本能」的行動のあり方は、観察や実験によって様々な事実が確認されてきた。残念ながらメカニズムはまだ全然わからない。けれど、直面している状況と、遺伝的に組み込まれたであろう「本能」と、ある種の学習/文化が重なって、様々な適応行動が起きて生物/人間は生き抜いているのだ。性淘汰の話が一番面白そうですね。2017/08/20

SGM

10
遺伝子が人間の行動にいかに影響を与えるか、行動の青写真(本性)を明らかにしていくのが進化心理学なのかなと。たとえば男性はパートナーがセックスをすることに嫉妬を覚え、女性はセックスではなく心理的な疎遠に嫉妬を覚えるという研究がある。なぜ両性の嫉妬間に乖離が生まれるのか。男性は自身の遺伝子を残すことを目的としているためパートナーが他者の男性とセックスをすると自分の子どもか自信が持てなくなる。女性は男性からの生活支援が育児に欠かせないので心理的に疎遠になると育児困難になるリスクが高まると。非常に良書。2022/02/16

jackbdc

8
20年以上前に書かれた大学教養課程の教科書。一般向け科学エッセイのようなくだけた面白さに満ちている。雌雄(男女)、夫婦、親子、兄弟や家族形成から維持にわたる行動原理について豊富な事例を基にわかりやすく紹介している。内容的には基礎レベルなのだろうが、ここまで包括的な視野で男女の行動戦略を進化の視点で論じる言説に触れた事はなかったので驚いた。社会学的な視点でも有用な資料になりそう。また、性行動などジェンダー別で行動原理が異なる分野については著述者に両ジェンダーが含まれている方が説得力がでるんだなと思った。2022/03/20

三色かじ香

8
利他的行動がどうやって進化の過程に残されていくのか、を、血縁者の場合と、入れ替わりの少ない社会の場合で分けて論じている部分がとくに興味深かったです。確かに、利他的行動は、その瞬間は、自分の損失なので、何も無ければ適応的ではないから長い進化の間に消えない方が不思議だ。父親の不確実性が、子殺しに繋がる社会と、世話を分散させられる利益に繋げる社会があるのが面白い。2019/05/26

うるの

6
人間の行動に進化生物学という視点からアプローチした学術書。生物学初心者の私にもとてもわかりやすく、しかもおもしろかったです。学生時代の教科書もこういうおもしろい本にしてほしかった(笑)自分の思考や行動を進化の過程と結びつけて考えたこともなかったので、とても新鮮。進化論についてもしっかり学べました。まだまだ、研究途中ものも多く、興味深い分野だなぁと思いました。2018/03/17

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