ロゴスと深淵―ギリシア哲学探究

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  • サイズ A5判/ページ数 288p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784130100861
  • NDC分類 131
  • Cコード C3010

内容説明

本書の一章は、美をめぐるソクラテスの対話問答(ディアロゴス)の分析。二章は、人間存在の表面性をめぐるソクラテスの探索を炙り出す。三章は、人間の位置を性と自然の脈絡で考え、四章は、生物と人間における個体化および秩序ある構造を分析。五章は、アリストテレスの『形而上学』冒頭の「全ての人間は自然本性から知ることを欲求する」との一句の意味を解読したもの。六章は、すでに克服されたとされるアリストテレスの天動説を取り上げ、その意味を無限大と無限小の中間に位置する人間の問題と捉え返る。七章は、ものそれぞれの個体の在り様をかけがえない「一」なる現実と捉え、八章は、「棺を蓋いて事定まる」といわれていることにギリシアから光を当て、そして生活と人生も一回限りの死に迫られたなかにあり、そこでの行為の意味も成功不成功も善悪未生、美醜未生の全体の観照から照らされるべきことをアリストテレスのテキストから考える。

目次

1章 鉄の孤独と対話問答法―プラトン『大ヒピアス』から
2章 こころの内は外―ソクラテスの対話の現実
3章 人間の位置―自然と性の脈絡で
4章 言語から実在へ―アリストテレスと人間原理
5章 哲学の「初め」と局所言語空間―『形而上学』第一巻第一章~第三章
6章 中間者の現実―アリストテレスの視点から
7章 「一」と現実―アリストテレスからの接近
8章 人間とこれを超えるもの―ギリシア哲学からの前途瞥見

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

渡邊利道

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ギリシャ哲学(多く参照されるのはプラトン(ソクラテス)、アリストテレス、ヘラクレイトス)、そしてキリスト教神学を題材にかなり自由度高く思弁を転回したエッセイ集的な本(最初のほうはけっこう論文っぽいが、後半に行くに従って自由になる)。文学的な表現も多く、いろいろと面白い部分もあるが、いまひとつ哲学書を読んだという感じがない。まあ、それは私に教養が足りないせいでもあろうか。一番面白かったのはプラトンの対話篇にある「表現」と「実存」の関係を探ったあたりだった。一種の文芸批評的な文章。2017/10/24

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