出版社内容情報
「改革」という新たな制度化を批判し,「学力低下」という「にせの問題」を剔抉し,変化する細部に手をかざす前東京大学総長の講演集.変化をめざし,変わるスピードに喜びを感じるすべての人に贈る,過激で優雅で偏愛に満ちたメッセージ.次のURLから著者インタビュー(画像・音声あり)をお楽しみおいただけます.
http://www.utp.or.jp/bulletin/hasumi.html
【担当編集者から】
前著『齟齬の誘惑』で,何かを理解したような気分になってはいけない,齟齬感や違和感や隔たりの意識こそ大事にしようと語りかけた蓮實先生が,今回は,「制度改革」を唱えるよりは,一人ひとりが,変えること,変わることが必要と静かにきっぱりと説く.大学も論じていますが,むしろ社会,世界を対象にいつもながらの信頼感にあふれた語り口で,思わず引き込まれます.
内容説明
本書は、たんなる「大学論」ではなく、情報の大量消費がそこから記号を解放したかに思われている社会的、歴史的なコンテクストの新たな創出をめざすものであり、真の変化へと向けて具体的な条件を構想する書物である。
目次
1 プラトンの寝椅子(プラトンの寝椅子;歴史という現実 ほか)
2 私が大学について知っている二、三の事柄(私が大学について知っている二、三の事柄;大学は「黒塗りの高級車」に似てはならない ほか)
3 「革命」のための「プラットフォーム」(「日本モデル」からの脱却;「改革」という言葉の価値下落は誰の責任か ほか)
4 知性の行方(「変化」の体験に向けて;更新する東京大学 ほか)
5 偏愛のすすめ(変化する細部への偏愛)
著者等紹介
蓮実重彦[ハスミシゲヒコ]
1936年東京生まれ。60年東京大学文学部仏文科卒。大学院進学後、フランス政府給費生としてパリ大学に留学。フローベール『ボヴァリー夫人』に関する論文で65年に同大学文学人文科学部から博士号取得。東京大学教養学部助教授を経て、88年に教授。93年から95年まで教養学部長、95年から97年まで副学長を歴任。97年4月から2001年3月まで東京大学二六代総長。『凡庸な芸術家の肖像―マクシム・デュ・カン論』(88年、青土社)で88年度芸術選奨文部大臣賞受賞、『監督小津安二郎』(83年、筑摩書房)の仏訳Yasujiro Ozuはフランス映画批評家連盟文芸賞受賞。その他著作多数。文芸批評家・映画評論家としての貢献は海外でも高く評価され、97年にパリ第八大学から名誉博士号取得、99年フランス政府の「芸術文化勲章」受賞
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感想・レビュー
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