内容説明
夢売りは三つ目の彩輝品を手に取った。「心の炎―その情念がかくも美しい紅輝品を生む」夢売りの声が広間に響く。「これは身を焦がす炎。成し遂げられぬ夢。誰よりも熱く、激しい夢に身を焦がした『復讐者の遺言』」その生涯を賭して挑んだ夢が語られる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆきちん
42
夢売りが語る夢利き。３つ目『紅輝晶』は復讐に取り憑かれ、神の妃となって初代の神の記憶を見た女の話。２つ目『黄輝晶』神の娘が騎士に憧れ、やがて新しい世の中を創る事を目指すのを支え続ける男の話。世界観がどんどん深く広くなる。同じ事柄でもいろんな人の目線から語られていて複雑化して面白い。お話にどんでん返しがあったりして、うっかり電車で泣きそうに。残る水晶は２つ。ここへきて物語の聞き手の夜の王が何者か気になる…2017/10/13
柊龍司＠中四国読メの会＆読メ旅＆読食コミュ参加中
36
ハウファの復讐の物語の出来が素晴らしい。次の巻で完結らしいけど、三部作で日本ファンタジーの名作として語り継がれるような傑作になる予感がします。というか、この本をまだ読んでいないファンタジー好きな人は可哀想だと思えるほど。王の正体、夢売りの正体、全てが開かされる最終巻が待ちきれない気分です。これってハードカバーで出版しても良かったんじゃないかと思いますね。2011/01/27
まりもん
25
今回の話も前巻で登場した人物が絡んでいて一気読みしてしまった。 光神マーアがどんな存在なのかも明らかになって早く３巻きが読みたい。2010/12/27
シュエパイ
24
背負った責任と抱いた想いが哀しく愛しいからこそ、輝くような人々の命の物語なのです。復讐と愛情の狭間に揺れながら、親友に守られ、子を守って人生に幕をひいた母。生まれつき影に憑かれた身を持て余しながら、王子様へ恋を抱き、愛を持って尽くした青年。揺れ動く世界のなかで、ただ愛する人のために悩み、迷い、身を尽くして消えていく幾つもの人影が、哀しくて、でも素敵なのです。次は２人の王子の話、かぁ・・・幕間に出てくる王様の正体は何となく見えましたが、夢売りは一体だれなんだろう・・・？2012/02/15
秋製
23
シリーズ物。ファンタジー。 彩輝晶（さいきしょう）」と呼ばれる結晶に閉じ込められた叶わなかった夢。その夢を見ることを「夢利き」と呼ぶ。夢売りは、王の為に一つ、また一つと夢の結晶をときほぐす。一度開いた夢は、もう二度と彼の元には戻らない。王はそれでも夢売りに次の夢をまた所望していく。2014/02/21
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