出版社内容情報
ごくごくフツーの高校生・ケン。父に会うため訪れた南米で彼を待っていたのは、モンスター間の諍いをおさめる「調停人」の椅子だった！？ 第４回Ｃ★ＮＯＶＥＬＳ大賞特別賞受賞作品
内容説明
「…それにしてもたくさん集まっていますね」俺の右隣にいる佐々木が口を開いた。「そりゃあ、統べるもの公認のお祭りだもの」今度は左に立っているイサが言う。俺は再びその集団に目をやる。人型のモノもいれば、そうでないモノもいる。毛むくじゃらの何か。狼みたいな顔の何か…。まるで百鬼夜行図みたいだ。草が生え放題の広大な公園の中をそれらが埋め尽くして、各々好きなように行き交う。これが壮観でないはずがない。父親に会うためアルゼンチンまでやってきた高校生ケン。平凡だった人生は、美少年イサとの出会いを契機に思いもよらない方向へ。あちらとこちらの境界の向こう、人ならぬものが暮らす世界―彼はそこで起こった諍いをおさめる「調停人」の候補だそうで…。第４回Ｃ・ＮＯＶＥＬＳ大賞特別賞受賞作。
著者等紹介
木下祥［キノシタショウ］
２月２２日生まれ。『Ｂ．Ａ．コンフィデンシャル』で第４回Ｃ・ＮＯＶＥＬＳ大賞特別賞受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つたもみじ
12
ファンタジー。将来の夢もなく進路も決めていない平凡な高校生・ケンが、父親の赴任先・ブエノスアイレスで騒動に巻き込まれ、人ならざる存在の調停人になるまでの成長記。飛行機で隣に乗り合わせたイサとの出会いから、誘拐、宝石強奪、物語のテンポが速く、サクッと読めて軽いけれど面白かった。人ならざるものの存在、マルゴの向こう側、調停人。凝った設定もスッキリ纏められてて読み易い。結局、なんだかんだ全て佐々木の掌の上…っていうのが、ケンの視点に立って見ると「このクソ野郎」と思わなくもないですがね。2015/02/21
よっしー
10
読友さんからお薦めされた本の前作から読んでみました～。 所々にある挿し絵が好みだなぁと思いつつ…サクッと読了。 主人公のはっきりしない性格に焦れったさを感じながら、調停のシーンで少し見返し、ラストのシーンでははっきりと意思を見せる。成長してるなぁ(笑 気になるので、続きを読みます!!2015/06/18
爺
3
田倉トヲル氏の絵に惹かれて。この世とちょっとずれた位相の住人達の調停人として目を付けられた少年・賢斗が巻き込まれた騒動と成長を描いた、青春ファンタジー小説。舞台がブエノスアイレスだという意外性が良かった。内容的には、面白い題材を中心に据えてはいるものの、プロローグ的な雰囲気で読み足りない……だから続編も読んじゃいます（笑）。幽霊とか妖怪とか、最近やたらと流行っているけど、それよりも少し前に発表された作品という点で、少々採点甘いかも？（笑）2015/02/23
栞奈
3
田倉トヲルさんのイラストに惹かれて読んだ本。ストーリーもわたしが好きなもので大満足。続巻があったら読みたいです。2015/01/02
片雲さくら
2
びっくりした、シリーズ続かないのかよって思っちゃった。嘘つきコンビ、好きかもー。ノエルの抱擁、ステキ☆2009/03/10
