出版社内容情報
【2008年度 毎日出版文化賞(文学・芸術部門)受賞】
内容説明
中宮徳子の懐妊―皇子(後の安徳天皇)誕生に平氏一門は湧き返る。だが、重盛が世を去り、後白河院と摂関家は再び反平氏を明確にした。一方、重盛という歯止めを失った清盛はついに法皇幽閉の暴挙に及ぶ。
目次
魔王鎮魂
想夫恋
中宮懐妊
皇子誕生
鬼界ヶ島
赦免船
少将都帰
俊寛堕地獄
屍
重盛逝去〔ほか〕
著者等紹介
橋本治[ハシモトオサム]
1948年3月東京生。東京大学文学部国文科卒。’77年「桃尻娘」で講談社小説現代新人賞佳作。以後、小説・評論・古典の現代語訳・エッセイ等、あらゆるジャンルに精力的な執筆活動を行う。’96年「宗教なんかこわくない!」で新潮学芸賞、2002年「『三島由紀夫』とはなにものだったのか」で小林秀雄賞、’05年「蝶のゆくえ」で柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ネコ虎
12
後白河院の近臣を全て放遂するほど怒った清盛に快感を感ずるほど、狡く、ほしいまま我欲を通した後白河法皇に全ての混乱の原因はある。その法皇権力に翻弄されかつ抗う男たちの姿を見事に描いている。 次々と人物が登場してわけがわからなくなるが、それは無視して読み進めれば、橋本ワールドにどんどん引き込まれる。それにしても朝廷の公卿たちはどんな政治・行政をおこなっているのか全く説明がない。あるのは婚姻と人事と後白河法王のホモ関係のみ。 2019/09/14
まりこ
4
重盛が亡くなってからの平家は、清盛を諫められる人がいなくて怪しい雲行き。後白河院が何かするたびに乱れた世の中に。俊寛の話。当時の高貴な人の価値観が凄い。2019/01/15
小葉
4
鬼界ヶ島の俊寬たち、重盛の死、後白河院幽閉、高倉帝の譲位、以仁王謀反。遠い昔の教科書にあった「足摺り」を思い出しつつ読んだ。重盛亡き後の平家はもうぐだぐだという感じ。2012/04/21
のら
3
高倉〜安徳天皇期。重盛のいない平氏は駄目ね。清盛の悲しみが、何故最も後白河院に貢献した自分が恨まれねばならないかって…。自分だくが大切な後白河院に通じるわけないのにね。どちらも童子のような我儘を振りかざすのが哀れよ。鬼界ヶ島の流人たちのエピソードがまた哀れなり。ふー、あと2冊!2015/08/19
zeroset
2
重盛が亡くなり、自覚の無いままに、平家は破滅への道を進んでいく。後白河院に疎まれていることに(やっと)気付き、愕然とする清盛が哀れ。2021/05/31