出版社内容情報
【2008年度 毎日出版文化賞(文学・芸術部門)受賞】
内容説明
広嗣の乱に怯え、大仏建立に取り憑かれて遷都を重ねる、矜り高き聖武帝の彷徨える生涯。疫病の蔓延による藤原四兄弟をはじめとする太政官の高官達の死、矜り高き天皇を脅やかす朝臣の乱。奈良の都を打ち棄て遷都を繰り返す聖武天皇に振り回される臣下達の悲喜劇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はなん
11
正直読みにくい巻だった。聖武天皇があんまりにも困った人で・・・。吉備真備(下道真備)がところどころチラリと出てくるのにニヤリとしたのはNHKのドラマのおかげ。そしてあのドラマの裏側はこうだったのか。。と納得する。(本編とずれているなぁ。今回の私の視点・・・)2012/01/30
まりこ
4
持統天皇の思い通りに聖武天皇へ継承。大仏造ったのは凄いけど、権力と栄華、尊敬だけが欲しいだけの人に、天皇の後ろ楯で栄華を極めようとする人達。色んな感情と権謀があり面白かった。他にも色んなことがあった時代なのに描かれない事もあり、それだけ栄花について特化した巻だったと思う。2018/07/14
のら
3
聖武天皇から孝徳天皇。平家はまだまだ先。この小説の聖武天皇がまことに迷惑かつ困った方で、うんざりさせられます。大仏様を遺してくださったとはいえ、とてもじゃないけど私は敬うことはできかねます。孝徳天皇への譲位の際の言葉が、次巻の大スキャンダルを正当化する伏線となっておりまして、鳥肌ものでした。橘諸兄、藤原仲麻呂の時代でもあります。父・武智麻呂の知性と叔父・房前の政治力を受け継いだ(=不比等の能力です)仲麻呂がその狡猾さで物語を彩ります。悪の魅力ね。権力者が前巻までの血塗られたヒールから黒い策謀家へと進化?し2015/05/04
huanghongyang
3
聖武天皇、光明皇后、孝謙天皇等が主な登場人物だった。聖武天皇迷惑な為政者だったようだ。2011/01/04
zeroset
2
聖武天皇から孝謙天皇の時代を描く。育ちが良いのにコンプレックスが強く、プライドが高いわりに逃げ癖があり、非論理的な思いつきで周りを振り回す聖武天皇からは、どうしても現代の複数の政治家のことを連想してしまう。2020/08/31