中公文庫
真珠湾までの経緯―海軍軍務局大佐が語る開戦の真相

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  • サイズ 文庫判/ページ数 381p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122067950
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C1121

出版社内容情報

太平洋戦争へのシナリオを描いたとされる海軍軍人が語る日米開戦秘話。日独伊三国同盟を支持し対米強硬を貫いた背景を検証。初文庫化〈解説〉戸髙一成


第一章 支那大陸をめぐる日米の争い
 
第二章 ワシントンおよびロンドン会議の真意義

第三章 日米海軍競争史

第四章 満州事変をめぐって

第五章 ヤマを迎えた一九三六年

第六章 愚かなる支那事変

第七章 第二次世界大戦の前夜

第八章 欧州大戦の火ぶた切らる

第九章 日本は欧州戦争にかかわらず支那事変に猪突

第十章 日独伊三国同盟と日ソ中立条約

第十一章 太平洋の波高し

第十二章 第二次近衛内閣と日米交渉

第十三章 独ソ開戦す

第十四章 米英の追いこみとさまよう日本

第十五章 太平洋戦争の開幕――ハル・ノート前後――

終章 十五年後におもう――「むすび」にかえて――

内容説明

満蒙を放棄しない限り日米衝突は必至と考えていた石川は、日中戦争完遂と対米開戦回避が両立するという楽観主義の政府に対し、開戦の条件と時機を提案した。ところが、仏印進駐、米による禁諭措置というシナリオ通りに歴史は動く。「不規弾」の異名をもち、日独伊三国同盟を支持、対米強硬を貫いた主張の背景を検証。初文庫化。

目次

支那大陸をめぐる日米の争い
ワシントンおよびロンドン会議の真意義
日米海軍競争史
満州事変をめぐって
ヤマを迎えた一九三六年
愚かなる支那事変
第二次世界大戦の前夜
欧州大戦の火ぶた切らる
日本は欧州戦争にかかわらず支那事変に猪突す
日独伊三国同盟と日ソ中立条約
太平洋の波高し
第二次近衛内閣と日米交渉
独ソ開戦す
米英の追いこみとさまよう日本
太平洋戦争の開幕―ハル・ノート前後
十五年後におもう―「むすび」にかえて

著者等紹介

石川信吾[イシカワシンゴ]
1894(明治27)年、山口県生まれ。海軍兵学校(四二期)、海軍大学卒業。海軍の参謀畑をあゆむ。1935(昭和10)年、ナチス政権下のドイツなどを視察、日独伊三国同盟の成立を推進する。1936(昭和11)年、特務艦「知床」艦長、1937(昭和12)敷設艦「厳島」艦長。1938(昭和13)年、青島海軍特務部長。1939(昭和14)年、興亜院政務部第一課長、1940(昭和15)年、軍務局第二課長となる。1942(昭和17)年、南西方面艦隊参謀副長。1943(昭和18)年、第23航空戦隊司令官、軍需省総動員局総務部長、1944(昭和19)年、運輸本部長兼大本営戦力補給部長。1964(昭和39)年没。著作に大谷隼人名義による『日本之危機』(1931)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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雲をみるひと

9
旧日本海軍で参謀等を務めた作者が日中戦争から第二次大戦に至る経緯を回想したもの。作者は首脳部とも直接コンタクトできたようだが意思決定に関れる立場にはいなかったと思われる中で、誇大と思われる記述も見える。一方で、当時の海軍の組織、海軍首脳の考え方、陸海軍間のコンフリクトなどがよくわかる貴重な作品。2019/12/24

新父帰る

8
文庫版は2019年。発表は1960年。開戦時は海軍軍務局二課長。具体的な開戦を目的とした戦争準備に関わる作業を管理する部署。三国同盟推進派であり、対米決戦推進派であるが、よく読むと、日米決戦を回避する方策も模索。ただし、それは陸軍が到底のめない「支那事変完遂」の放棄に他ならない。その放棄はアメリカの望むところであるが、シナ大陸における戦線拡大は近衛に責任があり、政治が機能していないし、陸軍も頑強。更に、松岡の三国同盟に理解を示し、紙数を割いて松岡の真意を説明。海軍が日米開戦に逡巡していた訳ではないと。2021/09/19

junkoda

1
ワシントン条約に不満をもってアメリカと対等であろうとしていた戦前の日本の気分がよくまとまってる。2020/01/08

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