内容説明
将棋界の歴代記録を塗り替え続ける最強棋士。なぜ彼だけが常に熾烈な競争を勝ち抜けるのか。タイトル戦観戦記にトップ棋士たちとの対話、そして羽生本人に肉迫した真剣対談が浮き彫りにする、強さと知性の秘密。ルールがわからない人をも魅了する、天才棋士の思考法とは。既刊単行本二冊を再編集し、羽生善治との最新対談を収録した完全版。
目次
羽生善治と「変わりゆく現代将棋」
佐藤康光の孤高の脳―棋聖戦観戦記
将棋を観る楽しみ
棋士の魅力―深浦康市の社会性
パリで生まれた芸術―竜王戦観戦記
機会の窓を活かした渡辺明
対談―羽生善治×梅田望夫2009
大局観と棋風
若者に立ちはだかる第一人者
研究競争のリアリティ
どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?
対談―羽生善治×梅田望夫2012
著者等紹介
梅田望夫[ウメダモチオ]
1960年生まれ。慶應義塾大学工学部卒業。東京大学大学院情報科学科修士課程修了。94年からシリコンバレー在住。97年にコンサルティング会社ミューズ・アソシエイツを創業。2010年より株式会社リコー社外取締役。『シリコンバレーから将棋を観る』で第22回将棋ペンクラブ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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魚京童!
6
http://kuzirappa.blog.fc2.com/blog-entry-1171.html2013/11/05
ライアン
3
過去2作の再編集プラスαではあるがとても奥が深く読み応えがあった。なぜ自分が将棋を観るのが好きか改めてわかったし、求道者たる棋士たちの言葉や姿勢から学ぶべき点があまりも多いと実感しました。2013/12/23
Kenshi
3
将棋が一種の表現だとして、映画でもまんがでもある表現ジャンルの面白さを語るにはその内部の言葉で語ることが必ず必要になると思う。そして本書はそれを十分に成し遂げていると思う。羽生さんの天才性に対局から迫っていくのは正しいアプローチだと思う。木村ワールド、一度足を踏み入れてみたい・・・2013/09/23
Ishii Yosuke
2
2008年位からの著書の再編集なので知の高速道路等、ウェブ進化論以来のテーマも出てくる一方、最近の羽生さんとの対談もあって、まさに今現在の将棋界の状況が垣間見えて面白かった。 この間話題になったコンピューター将棋についてはどう見てるんですかねぇ、羽生さん。 将棋が強くなくても観る楽しみはある、という主張通り本書も将棋に詳しくなくても楽しめる。それでも読んでるとなにか分かった気になって将棋を指してみるが、私の矢倉は今日もズタボロにされるのであった。2013/05/13
GOKU
2
「シリコンバレーから将棋を観る」と「どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?」を合本し、羽生善治との対談を加えたもの。スポーツをしたり絵を描いたり出来なくても鑑賞出来るように、将棋は指せなくても鑑賞出来ると言う著者が、羽生を代表とするトッププロ達の対局中の頭の中を再実況中継してくれる。棋士のその時の心理・思考過程が手に取るように分かる文章は凄みがあり、読んでいてゾクゾクする。また現代将棋の情報収集と研究の壮絶さには、NHKの日曜対局しか見ない私には将棋はここまで解明され進化してきたことに驚かされる。2013/03/13