内容説明
創業以来の危機を迎えた老舗の糊メーカー「スナマチ」。起死回生をかけて新商品の開発に力を注ぐが、なんと完成したのは「くっつかない糊」だった！新入社員の啓太とベテラン営業マンの本庄は、商品化するべく日夜、頭を悩ませるが…。今野敏が贈る、ユーモアたっぷりのサラリーマン応援小説。
著者等紹介
今野敏［コンノビン］
昭和３０年、北海道三笠市生まれ。その執筆範囲は、警察小説、ハードボイルド、アクション、伝奇小説、ＳＦ小説など幅広い。平成１８年度吉川英治文学新人賞を『隠蔽捜査』で、平成２０年度山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を、『果断 隠蔽捜査２』で受賞。空手の源流を追求する、「空手道今野塾」を主宰する（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
121
痛快サラリーマンのサクセス＆コメディ小説です。とにかく前向きな先輩「本庄」さんが大好きです。自分もこんな先輩になれたら＆ならねばと思います。こんな先輩と組めるルーキー「啓太」は本当に幸せ者だと感じました。とにかく、何事もマイナスな気持ちにならずに、常にプラス志向（思考）で突き進んでいくスタイルは、ある意味圧巻です。特に複雑な環境（セクハラ、パワハラなど）にはなく、とにかく登場人物各々の言動を追うだけで十分に楽しめる作品です。仕事、そして何よりも先輩後輩の育成、そして人間関係に悩んでいる方、読んでみては？2010/02/27
chiru
109
糊の老舗メーカーで開発費をかけた試作品は『接着しない接着剤』…なにそれ!! くっつかない接着剤を開発した社員は絶体絶命!! これまでの苦労を考慮したら、笑ってボツになんかできない💦 社内は蜂の巣をつついた状態。買収さわぎでプロジェクト中断。でも外部にもらせば首がとぶ!! さて、どうする？？ 会議、打ち合わせ、会議、進言、却下、会議…ハムスターの回し車のように同じ場所をぐるぐる…これぞ『The 膠着』スパイの噂渦巻く中、新入社員の啓太がぽつりとこぼした一言から、新展開が産まれる。さて、その結果は？★42021/07/23
gonta19
72
2010/1/23 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。2016/9/6〜9/7出張先の金沢で読了。今野さんの企業小説。有りがちな話で有りがちな展開。と書けばディスっているようだが、結構面白い。お陰で接着剤に詳しくなれた。2016/09/07
♡ぷらだ♡お休み中😌🌃💤
62
読友さんのレビューにひかれて手にとった１冊。本書は、接着剤メーカーの新入社員啓太のお仕事小説。社運をかけた新商品の接着剤だったはずがくっつかない。この失敗作を巡り、意見交換会という名目でプロジェクトが発足。朝から晩までアイデアがでない不毛な会議の連続。何も進展せず膠着状態に。しかも社内は敵対的TOBの話の浮上やスパイ説で大騒ぎ。先の見えない展開に。今野さんは任侠シリーズしか読んだことがなく、しかも警察小説のイメージか強い。今回、初めて企業を舞台にしたものを読んだが、あっという間に読めて楽しめた。2021/08/11
10$の恋
44
接着剤メーカーで開発費をかけて生まれた代物が｢接着しない接着剤｣…。なんだそれ？単刀直入に言えば失敗作、でも後戻りはできない。株価下落から会社乗っ取りの話も出てくる。さてこれを何かの用途に転換できないか、極秘会議が開かれる。会議、会議、会議。膠着、膠着、膠着。新入社員の啓太は敵対しているふたりから｢あいつはスパイかも…｣とお互いを探るように言われる始末。どうすりゃいいの？疑心暗鬼の空気の中、啓太のひょんなアイデアで展開が一気に変わる。ふぅ～、にっちもさっちも行かない『膠着状態』を堪能したい人はどうぞ。2021/04/08
